大型特殊免許で乗れる車両とは?免許を取得する流れも紹介

大型特殊免許で乗れる車両とは?免許を取得する流れも紹介

大型特殊免許とは、クレーン車やブルドーザーなど、大型特殊車両を運転するための免許です。大型特殊車両を公道で走行するためには、大型特殊免許が欠かせません。また、大型特殊免許を持っていても、車両の種類によっては行えないことがあります。

この記事では、大型特殊免許とは、どのような免許であるのか概要を解説します。さらに、大型特殊免許を取得する場合の流れや、免許を取得する条件についても紹介するため、ぜひ参考にしてください。

大型特殊免許とは

特定の大型車両で公道を走るためには、大型特殊免許が必要です。 大型特殊免許とは、クレーン車やブルドーザーなど、大型特殊車両を運転するための免許のことです。 大型特殊免許は建設現場で使用される車両の他、農業で使用される一部の特殊車両なども対象に含まれます。

大型特殊車両を運転するときは、取得した免許で許可される範囲に注意しましょう。大型特殊免許の取得で許可される範囲は、公道を走行することのみです。現場での操作に対しては、別途講習の受講や仕事内容に合った作業免許取得を求められる場合があります。

一方で、私有地で大型特殊車両を運転するだけの場合は、大型特殊免許が求められません。車両の種類によっては、私有地で操作するだけでも、講習の受講が必要となる場合もあります。

必要な免許
公道 大型特殊免許+車両の種類に応じた講習など
私有地 車両の種類に応じた講習など

*車両の種類によって必要な講習が異なる(コンバインのように講習のないものもある)

大型特殊免許で乗れる車両の代表例

大型特殊免許を取得すると、さまざまな車両が運転できるようになります。 大型特殊免許で公道の走行が認められている車両は、下記の3種類です。

  • 大型特殊自動車
  • 小型特殊自動車
  • 原動機付自転車

大型特殊免許さえ取得できれば、小型特殊車両はもちろん原動機付自転車も乗れるようになります。ここでは、免許取得によって運転できる大型特殊自動車や小型特殊自動車の具体例を紹介します。

大型特殊自動車

大型特殊自動車とは、工事や農業などの業務で使用する大型自動車のことです。 道路交通法によって定められており、一般的に重機と呼ばれる車両が大型特殊自動車に該当します。

大型自動車全般が対象となるわけではなく、たとえばバスやトラックなどの運転は大型特殊免許の対象外です。バスやトラックなどを運転する場合は、大型免許を取得する必要があります。

大型特殊免許の対象とされる大型特殊自動車の特徴は、下記の通りです。

【大型特殊自動車】

  • 全長:12.0m以下
  • 全幅:2.5m以下
  • 全高:3.8m以下

上記の車両の中で、小型特殊自動車の条件を満たさないものが大型特殊自動車です。主な車両は、工業車両・路面整備車両・農耕車の3種類があります。それぞれ主な車両をあげると、下記の通りです。

用途 主な車両
工業車両
  • クレーン車
  • ブルドーザー
  • ショベルカー
路面整備車両
  • 除雪車
  • 路面清掃車
農耕車
  • コンバイン
  • トラクター

小型特殊自動車

小型特殊自動車とは、作業内容に適した特殊な装備が取り付けられた車両のことです。 主な活用の場は、工場や作業所、農耕地などがあげられます。

大型特殊自動車の条件と同じく、小型特殊自動車も下記の通り条件が定められています。

【小型特殊自動車】

  • 全長:4.7m以下
  • 全幅:1.7m以下
  • 全高:2.0m以下(ヘッドガード部分に限り2.8m以下)
  • 最高速度:時速15km以下

小型特殊自動車では、最高速度の制限も設けられており、農耕車は時速35km未満、その他は時速15km以下です。

工場や作業所で使用する車両と農耕車の例をそれぞれあげると、下記の通りです。

用途 主な車両
工場・作業所
  • フォークリフト
  • タイヤローラ
  • スクレーパ
農耕車
  • コンバイン
  • トラクター
  • 農業用薬剤散布車

小型特殊免許を取得していなくても、大型特殊免許さえあれば上記の小型特殊自動車も運転できます。近年増えつつある農耕用の新小型特殊自動車も、大型特殊免許で乗れる対象です。

ただし前述の通り、現場で操作する場合は作業内容に応じた免許などが別途必要となる車両もあります。小型特殊自動車に乗るときも、他の免許や講習受講は必要となるか事前に確認した上で運転・操作しましょう。

大型特殊免許でフォークリフトに乗れる?

大型特殊免許で乗れる車両の中には、フォークリフトも含まれます。 ただし、大型特殊免許のみではフォークリフトで公道を走行することも、現場で作業することもできません。

フォークリフトを運転する場合は、大型特殊免許に加えて「フォークリフト運転特別教育」または「フォークリフト運転技能講習」の受講が必要です。

フォークリフトの最大荷重によって、受講内容は異なります。最大積載荷重が1トン未満であれば「フォークリフト運転特別教育」を、1トン以上は「フォークリフト運転技能講習」を受講します。

また、作業現場ではなく公道で荷役作業を行う可能性がある場合は、所轄の警察署長あるいは道路管理者からの道路使用許可も必要です。

大型特殊免許を取得する場合の流れ

大型特殊免許の取得方法は、普通自動車免許と同じく自動車学校に入校するか、運転免許試験場で直接試験を受けるかの2パターンです。自動車学校は自動車教習所とも呼ばれており、定期的に通学する他、合宿で短期的に免許取得を目指す方法もあります。

自動車学校に入校する場合、大型特殊免許を取得するまでの大まかな流れは、下記の通りです。

  1. 自動車学校への入校
  2. 適性検査
  3. 第一段階(技能教習・学科教習)
  4. 技能検定
  5. 第二段階(技能教習・学科教習)
  6. 卒業検定
  7. 運転免許試験場での適性検査・学科試験
  8. 免許証の交付

すでに普通自動車免許を取得している場合は、上記の教習や試験内容から学科が免除されます。自動車学校に入校せず、一発試験を狙う場合は、受験資格の審査や取得時講習を受ける必要があります。

大型特殊免許を取得するための条件

大型特殊免許を取得するときの受験条件には、普通自動車免許と大きな違いはありません。 たとえば中型免許や大型免許の場合、取得条件が若干異なるため、注意が必要です。しかし大型特殊免許の取得に関しては特別な条件がなく、普通自動車免許を取得できる方であれば容易に受験できます。

大型特殊免許の取得で求められる主な条件は、下記の通りです。

  • 年齢が満18歳以上である
  • 視力は両目で0.7以上、片目0.3以上ある
  • 色彩識別能力において信号機の赤・青・黄を識別できる
  • 10mで90デシベルの警告音が聞こえる聴力がある

いずれの条件も、普通自動車免許の取得時に求められる内容と同じです。視力が片目0.3未満の方は、他眼で0.7以上、視野が150度以上あれば条件を満たしているとみなされます。

大型特殊免許を取得するまでの日数

大型特殊免許の取得にかかる期間は、普通自動車免許の有無や教習・試験の受け方によって大きく異なります。 取得費用も異なるため、自分の免許取得状況や予算も考慮して、どのような方法を選ぶか検討しましょう。

自動車学校に通う方のケースを普通自動車免許の有無で分けると、大型特殊免許を取得するまでの日数は、下記の通りです。

普通自動車免許を取得していない場合 6日程度
普通自動車免許を取得している場合 4日程度

まとめ

大型特殊免許とは、クレーン車・ブルドーザー・コンバイン・フォークリフトなどの大型特殊自動車・小型特殊自動車の運転時に求められる免許です。大型特殊免許を持っていることで、公道でのこれらの運転が可能となります。ただし、フォークリフトの場合は、大型特殊免許に加えて、専門の講習を受ける必要があります。

大型特殊免許は、自動車学校に入校して学習を行うことで取得できる資格です。大型特殊免許を持っていると、さまざまな場面で役立ちます。大型特殊免許の資格に興味のある方は、ぜひ取得を検討してみてください。

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