フォークリフトの免許の取り方|かかる費用・日数を紹介

フォークリフトの免許の取り方|かかる費用・日数を紹介

荷物の積み下ろし・積み込みや運搬ができるフォークリフトは、物流倉庫に欠かせない産業車両です。フォークリフトの運転は、普通自動車運転免許だけではできません。たとえ敷地内の作業でフォークリフトを運転する場合においても、特別な資格が必要となります。

そこで今回は、フォークリフトの運転者に必要となる免許の種類から、フォークリフト運転資格の取得方法・費用・必要日数を徹底的に解説します。フォークリフトの資格を取って就職に役立てたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

フォークリフトを運転するには免許が必要

フォークリフトを運転するには、普通自動車運転免許以外にもいくつかの免許が必要となります。必要となる免許は、フォークリフトで「公道を走る場合」と「荷物の積み下ろしや運搬作業」を行う場合とで異なることも覚えておきましょう。下記は、それぞれのケースで必要となる免許です。

●公道を走る場合:「特殊免許」が必要

フォークリフトで公道を走るのみの場合は、特殊免許取得が必要となります。特殊免許には「小型特殊免許」「大型特殊免許」の2つがあり、最高速度が15km/h以下のフォークリフトを運転する場合は小型特殊免許、それ以上のスピードを出せるフォークリフトを運転する場合は大型特殊免許の取得が必須です。

また、小型特殊免許は普通自動車運転免許で運転できる車種、いわゆる「普通自動車運転免許のおまけ」となっているため、普通自動車運転免許を取得しているすべての人が最高速度15km/h以下のフォークリフトを運転できます。小型特殊免許単体であれば、運転免許試験場にて適性検査と学科試験、さらに運転講習を受講することで取得可能です。

●フォークリフトで作業する場合:「フォークリフト免許」が必要

フォークリフトを操作して、実際に物流倉庫・センターなどで作業を行う場合は、フォークリフト免許取得が必要となります。無免許でフォークリフト作業を行うと、労働安全衛生法違反とみなされます。

フォークリフト免許は、一般的な普通自動車免許と免許の形態がやや異なるため、定められた教習所で講習を受けなければなりません。なお、フォークリフト免許を取得した際は運転免許証に記載されるのではなく、別途「フォークリフト運転技能講習修了証」が発行・付与されます。免許更新の必要はなく、一度付与されれば失効することはありません。

免許の種類

フォークリフトで作業をするために必要なフォークリフト免許には、「フォークリフト運転技能講習修了証」と「フォークリフトの運転の業務に係る特別教育修了証」の2種類があります。双方では運転できるフォークリフトの最大積載量や取得方法が異なることに注意しましょう。

●フォークリフト運転技能講習修了証

フォークリフト運転技能講習修了証は、最大積載量が1t以上のフォークリフトも運転できる免許です。一般的に「フォークリフト免許」と呼ばれるものは、フォークリフト運転技能講習修了証となっています。教習機関は都道府県ごとに登録されており、定められた技能講習をすべて受講し、修了試験に合格することでフォークリフト運転技能講習修了証が交付されます。

出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生法 別表第十八(第七十六条関係)」

●フォークリフトの運転の業務に係る特別教育修了証

フォークリフトの運転の業務に係る特別教育修了証は、最大積載量が1t未満のフォークリフトを運転できる免許です。国家資格ではなく、事業者が認定する資格となっています。定められた特別教育を受けることで、フォークリフトの運転の業務に係る特別教育修了証が交付されます。

出典:中央労働災害防止協会 安全衛生情報センター「安全衛生特別教育規程」

フォークリフト免許の取り方の流れ

フォークリフト免許を取得するまでの流れは、下記の通りです。

(1)通いたい教習所にて申し込み・予約をする

フォークリフト免許を取得する際、まずは通いたい教習所で入校手続きを行う必要があります。遅くても受講希望日の1~2週間前には申し込み・予約を済ませておきましょう。申し込みはWeb・直接訪問・電話が一般的です。予約確定前には申込用紙・本人確認書類・講習料金が必要となるため、スムーズに予約するためにもあらかじめ用意しておくことをおすすめします。

(2)学科講習・学科試験を受ける

教習所ではまず学科講習が行われます。保有している免許によっても学科内容や時間数は異なります。また、各学科にまつわる学科試験も定期的に行われ、すべて合格しなければ次のステップへと進むことができません。

(3)実技講習・実技試験を受ける

学科講習を経て学科試験に合格したら、次は実技講習・実技試験を受けることとなります。フォークリフト免許では学科よりも実技が重視されるため、基本的に講習時間は学科よりも長い傾向です。実技試験では、100点の持ち点のうち、70点以上残っていれば合格となります。実技試験に合格すれば、フォークリフト免許が交付されます。

なお、フォークリフト免許の取得に必要な講習は1日でも休むとその時点で不合格となり、資格を取得できなくなる点に注意してください。

フォークリフト免許を取るための費用

フォークリフト免許の取得費用は、地域や講習内容によって異なります。受講できるコースは基本的に、保有する免許・実務経験の各条件によって下記4つに分けられています。

受講コース 条件
35時間コース
  • 運転免許を保有していない、または原付免許・自動二輪免許しか保有していない
  • 実務経験がない
31時間コース
  • 普通免許・準中型免許・中型免許・大型免許・大型特殊免許(カタピラ限定)を保有している
15時間コース
  • 「フォークリフトの運転の業務に係る特別教育修了証」を取得してから3か月以上の実務経験がある(保有運転免許不問)
11時間コース
  • カタピラ限定を除く大型特殊免許を保有している
  • 普通免許・準中型免許・中型免許・大型免許・大型特殊免許(カタピラ限定)を保有しており、「フォークリフトの運転の業務に係る特別教育修了証」を取得してから3か月以上の実務経験がある

各コースの平均的な費用は、下記の通りです。

受講コース 費用
35時間コース 38,000~45,000円
31時間コース 26,000~37,000円
15時間コース 20,000~30,000円
11時間コース 12,000~18,000円

上記の受講費用はあくまでも目安であり、教習所によって細かに費用が異なることを覚えておきましょう。また、基本の受講費用に加えて下記の費用も別途発生します。

●テキスト代

教習所では、基本の受講費用に加えてテキスト代も発生します。テキスト代は1,500~2,000円程度です。教習所によっては、受講費用の中にテキスト代が含まれているケースもあります。

●補助試験料金

学科試験や実技試験に不合格した場合は、補講として再度試験を受けることとなります。この際に、「補助試験料金」として追加費用が発生します。学科試験の場合は約3,000円、実技試験の場合は約5,000円が目安です。

●証明写真の発行費用

教習所によっては、修了証に貼り付ける証明写真の発行代金も別途支払う必要があります。発行代金は基本的に500~700円程度です。

フォークリフト免許を取るために必要な日数

フォークリフト免許を取得するために要する日数は、ケースによって細かに異なることが特徴です。通う教習所だけでなく、すでに保有している免許によって受講コースも異なり、受講コースが違えば必要な日数目安も変わります。各受講コースの一般的な必要取得日数は、下記の通りです。

受講コース 必要日数
35時間コース 5日程度
31時間コース 4~5日程度
15時間コース 2~3日程度
11時間コース 2日程度

基本的には1週間以内でフォークリフト免許を取得することができますが、必ずしも連続で講習・試験を受けなければならないというわけではありません。日や週をまたいだ受講も可能なため、働きながら・家事や育児をしながらなど、ライフスタイルにあわせた無理のない資格取得が可能です。

まとめ

フォークリフトは、「公道を走る場合」と「荷物の積み下ろしや運搬作業」を行う場合とで必要な免許が異なります。公道を走る場合は特殊免許が必要で、フォークリフトを運転して作業をする場合はフォークリフト免許が必要です。

フォークリフト免許には「フォークリフト運転技能講習修了証」と「フォークリフトの運転の業務に係る特別教育修了証」の2種類がありますが、一般的にフォークリフト免許という呼ばれる資格はフォークリフト運転技能講習修了証となっています。ここまでの内容を参考に、フォークリフト運転技能講習修了証の取り方について知識を得たうえで取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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