プレス工場での仕事内容とは?役立つ資格・働く魅力も解説

プレス工場での仕事内容とは?役立つ資格・働く魅力も解説

「工場」と聞くだけで、力仕事をイメージする方は多いのではないでしょうか。今回紹介のプレス工場での仕事は、大きな力は必要なく、女性やシニア層のかたでも活躍ができる職種です。作ったものがいろんな形として世に出ていくのを実感できる、やりがいのある仕事と言えるでしょう。

当記事では、プレス機に興味がある方や、プレス工場での勤務を考えている方に向けて、仕事内容・魅力・向いている人・資格に関して徹底解説します。

プレス工場における仕事内容とは

まずは、プレス工場での仕事内容を紹介します。簡単に言うと、プレス機と呼ばれる機械で金属の板を変形させてパーツを作る仕事です。

プレス機で外側から金属に圧力をかけますが、人の力でコントロールする場面もあります。力の入れ具合や圧縮する際の金属板の向き、曲げる角度など、さまざまなポイントで人の力を使います。

プレス作業は主に自動車などを製造する工場で行われており、主に次の3つの工程があります。

(1)材料を金型にセットする

まずは、材料である金属板などを金型にセットします。金型とは、金属板などを変形させたり、くりぬいたりするための専用工具です。理想の型に加工できるよう、正しい位置、角度にセットし、圧力をかける準備をします。

(2)プレス機で圧力をかける

材料を金型にセットしたら、プレス機で上下から圧力をかけ変形させます。

プレス機には、「機械式プレス機」と「液圧式プレス機」の2種類あり、大半が機械式プレス機です。

機械式プレス機は、圧力をかける際の往復動作のスピードが速く、大量生産に向いています。一方、液圧式プレス機は比較的安価で導入できることに加え、加圧力・加工動作の細かい微調整が可能です。

注意点としては、プレス機の扱い方を間違えると、怪我につながる危険性があります。安心・安全に作業できるよう、正しい方法で進めましょう。

(3)仕上げ作業を行う

最後に加工された金属板の仕上げをして、作業は終了です。仕上げ方は工場によって変わりますが、表面を磨き上げるのが一般的です。

プレス工場で作られるもの

約100年前と比較して、多くの製品が企画され、作られてきました。特に日本は、「製造業」という分野において非常に優秀で、その基盤を支えているものの1つがプレス工場で作られているパーツです。プレス工場で作られた質の高い部品が、質の高い製品を生み出しています。

最もイメージしやすいのは、自動車で使われるパーツです。自動車の種類やオプションによって変わる車体のパーツは、プレス工場で作られます。自動車は業界内の競争が激しく、新しいモデルが次々と出てくるので、今後も発注が絶えないでしょう。

家電製品の部品もプレス工場で作られます。冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビ、パソコンなど、いずれも生活を豊かにする製品です。

プレス工場で働く魅力

ここでは、プレス工場で働く魅力を3つ紹介します。

意外に思えるポイントもあるかもしれません。プレス工場で働くか迷っている方の参考になれば幸いです。

●ものづくりの「やりがい」「達成感」を得られる

ものづくりの特権、完成したときの達成感が形として見えるのは、プレス工場での勤務ならではの魅力です。プレス加工でパーツができたとき、作ったパーツが使われている製品を見たとき、これらに自身が関わっていると実感できるのは大きな魅力でしょう。

●体力・腕力がなくても活躍できる

プレス工場と聞くと「力仕事」「大変そう」というイメージがありますが、体力・腕力がなくても活躍することはできます。力が弱めの女性やシニア世代の方でも、経験を積むことで活躍の幅が広がるでしょう。

●専門的なスキル・知識を身につけられる

専門性を身につけられることもプレス工場で働く魅力の1つです。経験を積むことでスキルアップにつながり、また知識が身につきます。スキル・知識が高まれば、工場により必要とされる存在に成長できるでしょう。とってかわられにくい、良いとこどりな職種であると言えます。

プレス工場での仕事に向いている人の特徴

プレス工場の仕事に興味があり働いてみたいと思っているものの、求人への応募に踏み切れないという方もいるでしょう。プレス工場に限らず、どの仕事においても向き不向きがあり、仕事を選ぶうえで適正を把握することは非常に大切です。

ここでは、プレス工場での仕事に向いている人の特徴を紹介します。以下の5点に1つでも当てはまる項目があれば、プレス工場での仕事に向いている、または苦ではない可能性が高いです。

  • 細かい作業に没頭できる人
  • 丁寧かつ正確に作業できる人
  • 一人で黙々と働きたい人
  • 注意力が高い人
  • 集中力が高い人

以上の項目に近いタイプの方や、パーツがどのように作られているのか知りたいなどパーツへの興味が強い方は、プレス工場での仕事に向いていると言えます。

基本的にプレス加工業務は一人で集中して行います。単調な作業が続くため、他者と密に関わりたい方にとって、プレス工場での仕事は苦を感じるかもしれません。

プレス工場の仕事で役立つ資格

プレス工場の仕事を始めるにあたって、特別な資格は必要ありません。しかし、プレス工場でのキャリアアップや昇進を目指すうえで役に立つ資格も存在するため、取得しておいて損はないでしょう。

たとえば、部下を持ったときや、加工で使用する特別な工具があるときなど、教育や特別な加工において資格があると便利な場面があります。より専門性の高いプレス作業員を目指す場合、以下に挙げる5つの資格が役に立ちます。

●プレス機械作業主任者

プレス工場と言うと、何台もの機械が並んでいるイメージをもつ方が多いでしょう。プレス機を5台以上扱う工場では、「プレス機械作業主任者」という資格を持つ作業員を選任する必要があります。

プレス機械作業主任者を取得するためには、5年以上のプレス機に関する実務経験と、プレス機械作業主任者講習の受講が求められます。

●金属プレス加工技能士

金属プレス加工技能士は技能検定制度の1種で、国家資格となります。都道府県職業能力開発協会が実施している、金属プレス加工技能検定に合格することで取得可能です。階級には1級と2級があります。

●工場板金技能士

工場板金技能士は、技能検定制度の1種で、金属プレス加工技能士と同様に国家資格となります。都道府県職業能力開発協会が実施している検定試験です。板金プレスの技術力を証明するのに役立ちます。

●プレス金型取替作業者

プレス金型取替作業者は、動力プレスとシャー(機械プレス、油圧プレス、プレスブレーキ、パンチング、シャー)の金型取付け、取外し、調整することを認める資格です。学科と実技を10時間履修・修了で取得できます。

●鍛造技能士

鍛造技能士は技能検定制度の1種で、国家資格です。ハンマーなどで金属の加工物をたたいて目的の形に成形する鍛造に関する学科の履修と、実技試験に合格することで取得できます。

まとめ

プレス工場では、プレス機を使って金属の板などに圧力をかけ、パーツを作ります。仕事内容を聞くと力が必要そうに思えますが、実際は体力・腕力に自信がない方でも活躍できる仕事です。

身近なものとしては、自動車のパーツや家電製品の部品などが挙げられます。いずれも人が生活をするうえで必要不可欠なので、今後も発展が期待される仕事です。

プレス工場での仕事には向き不向きがあります。また、勤務に特別な資格は必要ありませんが、取得しておくとのちの仕事で便利なものも少なくありません。当記事で紹介した、工場勤務に向いている人の特徴や、取得するとよい資格を参考に求人への応募を検討しましょう。

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