ライン工とは？仕事内容や期間工との違いを解説

ライン工とは、工場でライン作業を担当するスタッフのことを指します。ベルトコンベアのポジションごとに配置されたスタッフが、与えられた作業を実施し、製品を製造する仕事です。具体的な仕事内容は、自動車・精密機器・食料品・化粧品など業種によって、さまざまです。

この記事では、ライン工の仕事内容や、期間工との違いについて解説します。ライン工として働くメリットや、ライン工の仕事に向いている人の特徴についても取り上げるため、ライン工の仕事に興味のある人は、ぜひ参考にしてください。

ライン工とは、製造業のライン作業を担当するスタッフのことです。ベルトコンベアのポジションごとにスタッフが配置され、各工程で与えられた作業を行い、次の工程に流します。

仕事内容は、自動車・精密機器・食料品・化粧品・衣料品など業種によりさまざまです。作業には「部品の組み立て・加工」「商品の袋詰め・梱包」「不良品のチェック・検品」などがあり、1つの製品を完成させるために必要な工程の一部を任されます。

ラインの工程に関するすべてのスタッフがライン工と呼ばれ、流れ作業の中で一工程を担うのが役割です。

ライン工の仕事は、パートやアルバイト、派遣社員などが行うというイメージを持つ人もいますが、正社員のライン工も存在します。また、パートやアルバイトで働いている人が、正社員を目指すことも可能です。会社は優れた人材に長く働いてほしいため、パートやアルバイトで働いているライン工の中から正社員に登用するケースがあります。

パートやアルバイトで働く人が正社員に登用されるためには、企業によって定められている一定の要件を満たさなければなりません。具体的な要件は企業によって異なりますが、勤務態度・勤続期間・コミュニケーション能力・作業効率などが、判断の基準となります。

また、正社員登用には登用試験を実施している企業が一般的です。試験で所定の成績を収められ、技能審査に合格した場合は正社員に登用されます。

正社員に登用されれば、将来的に昇給のチャンスやボーナスの支給も期待できます。業務内容も、品質や工程の管理などの大きな責任を伴う仕事を任される場合もあり、仕事にやりがいも出てくるでしょう。

「期間工」とは「有期労働契約」を結んで働く人を指す言葉です。ライン工と混同して使用されてしまう期間工ですが、意味は全く異なります。

ライン工はライン作業をするスタッフを指しますが、パートやアルバイト、正社員などのさまざまな雇用形態で働いています。一方、期間工は働く期間が決められている契約社員です。期間工の仕事内容はさまざまで、ライン作業を行う人もいれば、ライン作業とは無関係な作業を行う人もいます。つまり、ライン工は仕事の内容を規定する言葉であるのに対して、期間工は雇用形態を規定する言葉です。

期間工が担当する仕事内容の多くが、ライン作業であることから、期間工とライン工は混同されていると考えられるでしょう。

期間工とは？メリット・デメリットや収入・待遇を解説

ライン工は、仕事内容がきついと言われることがあります。理由はさまざまですが「同じ作業の繰り返しで作業自体が面白く感じられない」「単純作業に飽きてしまう」といったことが主な原因です。単純作業は、独自のやりがいを見つけられなければきついと感じてしまいます。

また、配属されたポジションにより力仕事を任された場合は、仕事内容がハードに感じるケースもあります。立ち仕事の職場が多く、長時間同じ場所に立ち続けて仕事をするのは体力的にきついと感じるかもしれません。

ただし工場によって、取り扱う製品の種類や製造工程での作業は、さまざまです。きついと感じるような仕事もあれば、きついと感じられないような仕事もあります。また、どのような作業をきついと感じるのかも、人によって異なります。自分の性格や体力などから、自分に合った仕事を選ぶことで、ライン工の仕事をきついと感じることなく行えるでしょう。

ライン工は、単純作業やハードな仕事内容などのイメージからきついと言われることがあるため、ネガティブな印象を抱いている人が多いかもしれません。

しかし、繰り返し作業の中でコツコツと実績を積み上げ仕事に楽しみ・やりがいを感じながら働く人も多くいます。ここでは、ライン工として働くメリットについて、主なものを2つ紹介します。

ライン作業の仕事は各工程で作業が決められており、仕事を習得しやすいのがメリットです。製品が完成するまでには多くの工程がありますが、自分が任されたポジションの工程を繰り返し作業するので比較的早く仕事を覚えることができます。

初めは大変に思う人もいるかもしれませんが、仕事に慣れてくるとだんだんコツをつかみ、楽な仕事に感じる人もいます。

一般的に特別なスキルは不要であると言われており、今まで製造業に関わったことのない未経験の人やブランクのある人でも早いペースで一人前になれるでしょう。

ライン工の仕事がきついと言われる理由の中で「同じ作業の繰り返しで作業自体が面白く感じられない」「単純作業に飽きてしまう」といった点を紹介しました。しかし、繰り返し作業の中でも工夫次第で、やりがいを感じることは可能です。

単純な作業の中でも作業効率を上げるやり方を考えたり、ミスをしないような工夫をしたりするなど、独自の作業方法を考えられます。自分なりの工夫でスムーズな作業がこなせるようになると、楽しさを感じられるでしょう。

ライン工の仕事は、人によって向き不向きがあると言われることがあります。ライン工の仕事が向いていると感じる人にとっては、ストレスフリーでやりがいが感じられる天職だと言えるでしょう。

ここでは、どのような性格・特徴の人にライン工の仕事が向いているのか、詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。

ライン工は、1つの作業工程をマスターすれば仕事をこなせるので繰り返しの作業が好きな人に向いています。単純作業が苦にならず、集中力のある人には自分の強みを発揮できる職場であると言えます。

複数のことを同時に行うことが苦手な人や、1人で複数の仕事に優先順位をつけながら対応するのが苦手な人にも働きやすい環境です。1つのことに集中することが好きな人は、黙々と作業に没頭することができます。

ライン工の仕事は、人との付き合いが苦手で、人とコミュニケーションを取るのに疲れてしまう人には最適な職場です。ベルトコンベアで流れてくる製品に合わせた作業であるため、仕事中に他のスタッフと話す機会がほとんどありません。

就業前後や休憩時間に、挨拶をしたり会話をしたりする機会はあるかもしれませんが就業中は1つの作業に集中して仕事をするので他の人と一定の距離感を保ちながら働けます。また、人間関係が希薄な職場もあるため、休みの日に遊びに誘われたり仕事が終わって飲み会に誘われたりするといったことも少ない傾向です。

ライン工とは、工場でライン作業を行う工員のことを指します。ライン工は、パート・アルバイトとして働く人の多い印象がありますが、正社員として勤務する人もいます。

ライン工は、比較的仕事を覚えやすく、勤務するために特別な資格は必要ありません。また、単純作業が多いものの、工夫次第でやりがいを感じられる仕事です。単純作業を苦手としない人や、コツコツと作業に取り組むことが得意な人にとっては、働きやすい仕事であるため、興味のある人はライン工に挑戦してみてはいかがでしょうか。