期間工とは?メリット・デメリットや収入・待遇を解説

期間工とは?メリット・デメリットや収入・待遇を解説

期間工とは、自動車メーカーなどの製造業の現場で、一定期間働く契約社員のことです。製造現場で、部品の組立や機械の操作などの仕事に取り組みます。具体的な仕事内容は、企業によって異なりますが、マニュアルに沿って作業を進める業務が中心です。

この記事では、期間工の仕事内容や、期間工として働くメリット・デメリットについて、詳しく解説します。さらに、期間工の収入・待遇や期間満了後の働き方・正社員を目指す方法についても取り上げるため、期間工に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

期間工とは?

期間工とは、「就業期間が決められている契約社員」のことを指します。自動車メーカーをはじめとする製造業の現場で、生産が拡大している時期や業績が好調な時期に募集されるケースが多いです。

期間工の就労形態は派遣社員と似ていますが、期間工は募集している企業と、派遣社員は派遣元の人材紹介会社と雇用契約を結ぶ点で、契約方法が大きく異なります。企業と直接雇用契約を結ぶ期間工は、給与や各種手当、福利厚生なども雇用先企業から受ける仕組みです。

なお定期的に期間工を募集している企業は、期間工のための寮を完備していることもあり、期間工として採用されることで、仕事だけでなく住居も確保できる場合があります。

期間工の仕事内容

期間工の仕事内容は雇用される企業・メーカーにより異なりますが、一般的には製造業の工場で下記のような作業を担当します。

  • 部品の組立
  • 不良品の検査
  • 簡単な機械操作

初心者や未経験者も多い期間工は、部品の組立や検査などの単純作業を任されるケースが多いです。たとえば、「製造ラインに流れてくる製品に決まった部品を取り付ける」「マニュアルに沿って製品の外観や機能をチェックする」といった仕事をイメージするとよいでしょう。

期間工として働くに当たっては、健康診断により健康状態のチェックが行われます。その他に特別なスキルや経験は必要ありません。採用を決める際は経験者が優遇される傾向にありますが、初心者や未経験者の方でもまずは気軽に応募してみてください。

期間工として働くメリット・デメリット

期間工の仕事は単純作業や比較的覚えやすいものが多く、初心者や未経験者の方でも働ける可能性は十分あります。しかし期間工の仕事になじみがない方は「本当に自分でもできるのか」「自分に合っているのか」と悩むことも多いでしょう。

期間工として働くか迷ったときは、メリット・デメリットの両方を比較した上で、総合的に判断することが大切です。ここからは、期間工の仕事のメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。

メリット

期間工として働くメリットは、以下の3点です。

・短期間でお金を貯められる

期間工として勤務することで、短期間でまとまったお金を貯められる可能性があります。期間工の給与は比較的高く、日給なら1万円以上、月給なら25〜35万円程度を稼げることも珍しくありません。

・福利厚生が充実している

勤務先企業にもよりますが、期間工の仕事は福利厚生が充実しているケースが多いです。たとえば、格安または無料で勤務先の寮に住めたり、食事が無料で提供されたりする可能性があります。

・大手企業で働ける

期間工の求人に応募することで、大手企業で働くチャンスを得られます。期間工を募集している企業の中には正社員登用制度を設けているところもあり、勤続年数や働きぶりによっては、大手企業の正社員になることも夢ではありません。

期間工として働く大きなメリットは、高めの給与と充実した福利厚生により、効率よくお金を貯められることです。福利厚生で家賃や光熱費、食費などを節約できるため、収入の大部分を貯蓄や他の用途に回すことができます。

デメリット

期間工として働くデメリットは、以下の2点です。

・仕事内容が単調である

期間工の仕事は単調なことが多く、人によっては苦痛に感じる可能性があります。また、ミスに厳しい環境にあることが多いため、精神的負担にも注意が必要です。

・体力的にきついと感じることがある

不規則な勤務形態や体力的に負担のある姿勢での力仕事などにより、体力的にきついと感じることがあります。

期間工の仕事は単純作業が多いため、クリエイティブな仕事がしたい方や、どんどん新しい仕事に挑戦したい方には不向きです。反対に単純作業を苦痛に感じない方や、常に臨機応変な対応が求められる仕事に苦手意識のある方は、マニュアルに沿って仕事を進められる期間工は適しています。

期間工の収入・待遇

期間工は時給制で、月収は25~35万円程度が目安です。通常の給与の他に「入社祝金」や「満了慰労金」といったボーナスが加算されることもあり、合計すると年収は350~550万円程度になることが多いです。

さらに夜勤や残業がある職場では、時間外手当や深夜手当などがプラスされ、給与が大きく上がる可能性があります。また勤務先によっては期間工用の寮に光熱費無料で住めるなどの条件が付くこともあるので、福利厚生の内容にもよく目を通した上で、応募する企業を選ぶとよいでしょう。

待遇面では、期間工も一般的な会社員と同じく、勤務開始6か月目以降は有休を取得できます。また、勤務日数や勤務時間などが一定の要件を満たしていれば、社会保険に加入することも可能です。

給与や待遇などの条件は、募集時の求人広告に記載されていることが多いため、応募前にしっかりと確認しておきましょう。求人情報に詳細が記載されていない場合は、契約前に問い合わせることで、就労後のトラブルや後悔を防ぎやすくなります。

期間工の期間満了後の働き方

期間工が当初定めた契約期間を満了した後は「契約を更新する」または「辞める」という選択肢があります。勤務態度に問題がなければ、契約期間を更新してもらえる可能性が高いです。

ただし、企業は3年以上勤めた従業員を正社員登用しなくてはならないため、正社員登用の可能性がない職場で働けるのは最長2年11か月と決まっています。

契約更新をしない場合や、同じ職場で2年11か月勤務した後の働き方の選択肢は、おもに以下の3つです。

  • 他の企業で期間工として働く
  • 他の仕事に就く
  • 正社員登用制度を利用する

勤務している企業の期間工を辞めた場合、他の企業に転職する必要があります。2年11か月を過ぎた後も同じ職場で勤務したい場合は、勤務先の上司と相談の上、正社員登用を目指しましょう。

期間工から正社員を目指す方法

期間工から正社員を目指すには、正社員登用制度のある企業に勤務し、試験に合格する必要があります。正社員登用試験の受験資格は企業によって異なりますが、期間工としての一定の勤務実績と上司からの推薦があれば、受験資格が与えられるケースが多いです。

正社員登用試験の内容は、おもに「学科」と「面接」です。国語や数学などの基本的な学力を判定する筆記試験と、面接での受け答えが評価の基準となります。さらに、普段の勤務成績や同僚とうまく付き合えているかといった点も評価に影響する可能性が高いです。

なお正社員登用の難易度は、会社の業績や景気に左右されることもあります。試験を受ければ誰でも正社員になれるわけではないため、期間工から正社員を目指す方は、社内でよい評価を得られるよう、積極的な姿勢で努力を重ねることが大切です。

まとめ

期間工とは、自動車メーカーなどの製造業の現場で、あらかじめ決められた就業期間働く契約社員のことです。部品の組立や不良品の検査、簡単な機械操作が中心で、専門的な経験・スキルのない方でも行える仕事が多い傾向にあります。

期間工は比較的給与が高いため、短期間で貯金を貯められる仕事です。また、期間工を採用する多くの企業は、寮などの福利厚生が充実しています。

期間工として勤務期間が満了した後は、企業によっては正社員として登用される場合があります。誰でも正社員に登用されるわけではありませんが、決して狭き門ではないため、フリーターなどから正社員を目指す方は、期間工からスタートすることもおすすめです。

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