介護の仕事が大変と言われている理由|仕事内容からよくある悩みまで

介護の仕事が大変と言われている理由|仕事内容からよくある悩みまで

介護の仕事は、世間から「大変そう」「きつそう」といったイメージを持たれることが多い仕事です。老老介護といった言葉も聞かれるようになり、介護は負担の多い仕事という認識が広まっています。

しかし、具体的にどのような仕事がマイナスのイメージにつながっているのか、仕事内容を完全に理解していない方も多く存在します。

そこで今回は、介護の仕事が大変と言われている理由と具体的な仕事内容、また介護職で働く人によくある悩みについて解説します。介護の仕事に興味がある方は参考にしてください。

1.介護で特に大変と言われる仕事とは?

介護職で働く場合の職場には、特別養護老人ホームやデイケアセンターなどさまざまな職場が存在します。介護職は職場の選択肢が豊富という利点もありますが、大まかな仕事内容は共通しています。

仕事内容の中でも特に大変と言われる仕事が、入浴介助と排泄介助の2つです。

ここからは、入浴介助と排泄介助の仕事内容や、これらの仕事が大変と言われる理由を解説します。

1-1.入浴介助

入浴介助は、入居者の入浴に伴う一連の動作を介助する仕事です。具体的な動作には、以下の項目が挙げられます。

  • 脱衣
  • 洗髪
  • 洗身入浴
  • 拭き取り
  • 着衣

入浴は入所介護型施設で午前と午後の2回、デイサービスなど通所型施設で午前に1回行うことが一般的です。入浴前には健康状態をチェックするために、体温・脈拍・呼吸などを測ることが必要となります。

また脱衣所や浴室の室温を22〜25度に保つため、入浴前から細心の注意を払う必要があります。入浴中には入居者の心臓に負担がかからない程度の温度調節を行い、転倒防止のために滑り止めマットなどを準備することが必要です。

このように入浴介助は非常に気を遣う仕事であるため、介護をする側にとって肉体的負担が非常に大きい部分が、大変と言われる理由となります。

1-2.排泄介助

排泄介助は、入居者の排泄に伴う一連の動作を介助する仕事です。具体的な動作には、以下の項目が挙げられます。

  • トイレ誘導
  • 脱衣
  • 拭き取り
  • 着衣
  • おむつ交換

排泄介助の仕事は介護を受ける側にとっても身体的・精神的なストレスが大きく、入居者との信頼関係も重要となるため、非常に難しい仕事と言われています。

排泄に行くタイミングは入居者によってバラバラであるため、常に気を配る必要があります。入居者の中には、トイレに行くこと自体が困難でおむつを着用している方もいるため、1日に何回か交換することが必要です。

2.介護が大変と言われる理由やよくある悩み

介護の仕事が大変と言われている理由には、数多くの要素が存在します。なぜ大変と言われているのか把握することで、介護の仕事をより理解することにつながります。

今回は、介護が大変と言われる理由の中でも、特に多く挙げられる理由を3つ代表して紹介します。

2-1.体力が求められるため

入浴介助や排泄介助にも当てはまりますが、基本的に介護の仕事は体力が求められます。立ち時間が長いうえに、入居者の体を支えたりしゃがんだりしたりすることも多いため、肉体的負担が大きくなります。

介護の仕事をする方は腰痛や膝痛に悩まされる方も多く、肉体的負担を理由に離職するケースが少なくありません。身体の負担を軽減するために介護技術を学ぶという選択肢もありますが、体力面の不安を理由に介護の仕事を敬遠する方も多く存在します。

2-2.人手が不足しているため

介護業界では常に人手不足という状態が続いています。少子高齢化に伴う介護の需要は高まっていますが、どこの施設でも人手不足の状態が続いており、供給が追いついていません。また人材不足により、1人あたりの負担が大きくなっているため、離職率も高い状態です。

ほかにも、人材不足が原因で以下のような問題も発生しています。

  • 有給休暇の取得が困難
  • 残業の増加
  • 入居者とのコミュニケーション不足

人手不足によって生じる問題も多くなっているため、介護職は大変だと言われています。

2-3.人間関係が大変であるため

人間関係の大変さはどの仕事にも当てはまりますが、介護の仕事は職場と入居者、2種類の人間関係を構築することが必要です。どちらかの人間関係がうまくいかない場合でもストレスがかかるため、負担が大きくなります。

基本的に介護職はチームで動く場合が多く、チームも少人数で構成されることが多いため、閉鎖的な環境を生んでしまうことがあります。そのような閉鎖的な環境で、職場の職員と良好な人間関係を築くことができなければ、精神的な負担も大きくなります。

また、入居者との人間関係を構築することも必要です。入居者の中には、心ない言葉を言ったり口を聞いたりしてくれなかったりする方も存在します。介護の仕事は嫌でもそのような方と向き合う必要があるため、大変と感じる方も少なくありません。

3.介護で働くメリットを6つ紹介

介護の仕事は大変な面も多いですが、メリットも数多く存在します。ここからは代表的なメリットを6つ紹介します。

〇キャリアを築きやすい
介護業界では人手不足が続いているため、採用や人材育成に力を入れている事業所が多くあります。そのため、ほかの職業に比べてキャリアを築きやすい環境が整っています。

〇転勤が少ない
基本的に介護の仕事は1つの施設に勤めることが多いため、転勤がほとんどありません。また、地方であっても介護の求人は多いため、住み慣れた地域で長く働くことが可能です。

〇過去の経験を活かせる
介護の仕事は体力仕事のイメージが強いですが、入居者のケアプラン作成など事務作業の仕事も多くあります。過去に事務の経験があったりパソコンを触った経験があったりする方は、経験を活かして活躍することが可能です。

〇手に職をつけることにつながる
介護事業所は全国に存在しているため、介護の経験があれば全国で働くことができます。個別の事情で介護職を退職した場合でも、経験をアピールして新たな職場を見つけることにつながるため、手に職をつけたい方におすすめです。

〇年齢や性別に関係なく働くことができる
介護の現場では多くの女性職員が活躍しており、女性にとって働きやすい環境が整っています。しかし、男性が働きづらいということはなく、逆に男性が重宝されることも少なくありません。介護の仕事は体力仕事も多いため、男性が活躍する場面も多くあります。

〇無資格、未経験でも時給が高い
介護の仕事は、学歴や資格の有無・実務経験の有無に関係なく転職することが可能です。また正社員ではなく、契約社員や派遣社員でも時給が高いため、収入面も満足できる収入となります。

4.介護は大変だがやりがいも多い仕事

介護は大変なことも多いですが、やりがいも多い仕事です。特に、利用者の方から感謝の言葉をかけられることに関して、やりがいを感じる方が多くいます。

また入居者やその家族からの感謝の言葉を受けて、自分は人や社会の役に立っていると実感することができ、その感覚を誇りに働いている方も少なくありません。一度介護の仕事を辞めた方の約半数が、もう一度介護職に戻りたいと考えているデータも存在します。

大変なイメージが強い介護の仕事ですが、デイサービスなどではレクリエーションをしたり、楽しく会話をしたりするなど、介護度合いの低い仕事がメインの職場もあります。
介護業界の職場には、介護度合いが高い職場もあれば低い職場も存在します。どうしても大変な仕事を避けたい場合には、そのような職場を選ぶことも視野に入れましょう。

まとめ

ここまで、介護が大変と言われる理由や介護の仕事内容について解説しました。

介護業界は全体的に需要が高く、転職しやすい仕事です。もちろん、介護の仕事は大変な面も多いですが、その反面メリットも数多くあります。

求人サイトには介護の仕事が数多く掲載されているため、介護の仕事に興味がある方は、積極的に応募しましょう。

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