自動車整備士の平均年収|給料アップを実現する方法も解説

自動車整備士の平均年収|給料アップを実現する方法も解説

自動車整備士とは、自動車の点検・整備・修理を行う資格・職業のことです。自動車整備士として従事するためには、国家試験に合格する必要があります。自動車整備士は、ディーラーや整備工場などで活躍する、自動車の安全な運用に欠かせない重要な仕事です。

この記事では、自動車整備士の平均年収について詳しく解説します。また、自動車整備士が年収を増やす方法についても取り上げるため、年収をアップさせたい方は、ぜひご覧ください。

増加傾向にある自動車整備士の平均年収

早速、自動車整備士の給料情報について解説します。日本自動車整備振興会連合会が公表している調査結果によると、自動車整備士の平均年収は下記の通りです。

年度 金額
令和3年度 約399万円
令和2年度 約396万円
令和元年度 約392万円
平成30年度 約391万円
平成29年度 約388万円

出典:日本自動車整備振興会連合会「令和3年度 自動車特定整備業実態調査結果の概要について」

最新の令和3年度における平均年収は約399万円で、平成29年度の約388万円から比べると約10万円もの増加です。また、過去5年間における変化を見ても、年々増加していることが分かります。

さらに、自動車整備士の給与水準を確認するために、日本全国の一般労働者の賃金と比較します。下記は、厚生労働省の調査から、一般労働者の平均年収を計算したものです。

年度 令和3年
金額 約369万円

出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況(結果の概要 )」

自動車整備士の平均年収は、一般労働者の賃金と比較すると、高水準であることが分かります。自動車整備士の年収が年々増加している現状を考えると、今後、一般労働者の平均賃金をさらに上回る金額になることも考えられるでしょう。

ディーラーと整備工場で差がある自動車整備士の年収

一口に「自動車整備士」と言っても、勤務先は大きくディーラーと整備工場の2つに分けられます。ディーラーとは、自動車製造会社や国内一手卸売販売会社と「特約販売店契約」を締結している会社の事業場のことです。一方で整備工場は、自動車整備業を営むディーラー以外の事業場を指します。

自動車整備士の年収について理解を深めるには、ディーラーと整備工場それぞれの傾向についても把握することが重要です。ディーラーと整備工場には、下記データの通り年収相場に差があります。

ディーラー
年度 平均年収
令和3年度 約469万円
令和2年度 約466万円
令和元年度 約461万円
整備工場
年度 平均年収
令和3年度 約367万円
令和2年度 約365万円
令和元年度 約362万円

出典:日本自動車整備振興会連合会「令和3年度 自動車特定整備業実態調査結果の概要について」

ディーラーで働く自動車整備士の年収のほうが、整備工場と比べて約100万円も高いことが分かります。理由としては、ディーラーのほうが対象となるための条件が厳しいので、その分、自動車整備士に高い技術を求める事業場が多いことが考えられます。

自動車整備士が年収を増やすための3つの選択肢

ここまで解説した通り、自動車整備士は、働き方によって年収に差が生じやすいことが特徴です。そのため、高い年収を目指すには、「どのような自動車整備士の年収が高い傾向にあるのか」について理解する必要があります。

自動車整備士が年収を増やすための選択肢は、主に3つの方法があります。ここでは、自動車整備士が年収アップを実現させるための3つの方法について、詳しく解説します。

ディーラーに転職する

同じ自動車整備士という職業であっても、ディーラー勤務は整備工場勤務よりも年収が高い傾向です。そのため、ディーラーへの転職は、年収を増やす上で効果的な方法だと言えます。ただし、ディーラーは人気の高い勤務先であることから、転職に失敗するリスクも伴います。応募する自動車整備士求人を慎重に検討した上で、書類選考や面接の対策を入念にしながら、転職活動を進めることが必要です。

ディーラーと言っても、給料額や手当の有無、賞与の支給条件などの具体的な条件は勤務先によって異なります。ディーラーによっては、勤続年数や年齢だけではなく、成果をベースに給料を決めるケースもあるでしょう。転職による年収アップを成功させるためには、応募先の待遇について、求人情報や採用サイトから詳しく調べることが重要です。

資格を取得する

自動車整備士に関連した資格を取得し、自分が対応できる仕事の幅を広げることで、年収アップを目指す方法もあります。資格が必要な仕事は、その分担当できる人材が限られるため、給料が高額に設定されていたり、昇進に有利に働きやすかったりする傾向です。勤務先によっては、資格手当が設けられている場合もあるので、資格者であるだけで手当が加算される可能性もあります。

自動車整備士の資格にはさまざまな種類があるため、受験資格や自分の現時点での知識・スキル、職場でのニーズなどを基準に、受験を判断するとよいでしょう。現場で経験を積みながら、合格率の低い上位資格の試験にチャレンジしていくことで、より希少性の高い人材になれます。

資格の所有は就職・転職においても有利に働くため、長期的なキャリア構築においてもメリットをもたらしてくれます。

管理職に昇進する

できるだけ1つの企業に長く勤務したいと考えている人におすすめの方法が、管理職に昇進することです。部下をマネジメントする立場にある管理職に昇進できれば、責任が大きくなる分、大幅な給料アップが見込めます。キャリアアップの志向が強い人にとっては、給料アップだけでなく、キャリアビジョンを実現させる上でも理想的でしょう。

管理職に昇進するためには、自動車整備士としてのスキル・知識だけでなく、部下を管理・育成する能力も不可欠です。また、より経営層に近い立場になるので、企業としての方針や目的を踏まえて、実務にあたらなければなりません。

そのため、管理職になるには十分な実務経験や周囲からの信頼が求められます。着実に経験を重ねながら、長期的な視点で管理職を目指すことがおすすめです。

年収アップを実現するために磨きたい自動車整備士のスキル

自動車整備士として年収アップを目指すには、スキルを磨くことが欠かせません。特に、下記3つのスキルの向上を図ると、年収アップにつながりやすくなります。

●注意力

自動車は日常的に使用するものであり、自動車整備士の1つの業務ミスが、持ち主の大規模な事故につながる可能性があります。また、自動車には精密機器も多く組み込まれているため、注意力が欠かせません。注意力を身につけて仕事の精度が高まれば、会社からの信頼も得られるので、昇進にもつながりやすくなります。

●コミュニケーションスキル

自動車整備士として働く上では、さまざまな場面でコミュニケーションが発生します。例えば、自動車を整備する前には、持ち主から自動車の状況や悩みなどを細かく聞き出す力や、検査結果を相手が納得できるように伝える力が必要です。また、日々の仕事もチームプレイが求められるため、仲間とコミュニケーションを取りながら連携を図ることが重要となります。

●向上心

自動車整備士としてのスキルは、経験の積み重ねでレベルアップするため、向上心を持って仕事に取り組むことが重要です。常に向上心を持つことで、知識やスキルの幅が広がり、難易度の高い資格の取得や、収入の高い企業への転職などが実現します。また、近年は電気自動車に注目が集まるなど、業界内に新しいトレンドが生まれており、お客様の悩みに柔軟に対応するためにも向上心が大切です。

まとめ

自動車整備士は、自動車の点検・整備・修理を行う資格・職業です。ディーラーや整備工場などで活躍する仕事で、自動車の安全な運用に欠かせない存在と言えます。

自動車整備士の年収は、令和3年度において約399万円です。過去5年間と比較して、10万円以上アップしています。ディーラーや整備工場で自動車整備士は活躍していますが、ディーラーで働く人のほうが年収は高い傾向です。そのため、年収アップを目指す場合は、ディーラー勤務を目指すことが選択肢の1つとなります。

また、資格の取得や管理職への昇進によっても、年収アップを実現できます。自動車整備士として働く人は、自分に合った方法で年収アップを目指しましょう。

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