研磨工とは?仕事内容・研磨工の仕事に向いている人の特徴も解説

研磨工とは?仕事内容・研磨工の仕事に向いている人の特徴も解説

研磨工とは、研磨加工の業務を担当する人のことです。「研磨」という言葉は、表面を削り取る「研削」と表面を磨く「琢磨」を合わせた言葉です。製品の仕上げ段階で、より美しく機能的に完成させるために、研磨作業は実施されています。

この記事では、研磨工の仕事内容について、作業別・製品別に詳しく解説します。さらに、研磨工の仕事に向いている人の特徴についても取り上げるので、研磨工の仕事に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

研磨工とは?

研磨工とは、研磨加工を行う人のことです。研磨工は、機械を使ってさまざまな製品の表面を削って滑らかにします。スマートフォンから自動車まで、多くの人々が日常的に使用している製品の中には、研磨加工が施されているものが少なくありません。

研磨工は金属をはじめとしてガラスやプラスチックなどさまざまな素材を、異なる研磨手法で加工します。さまざまな製品の製造において欠かせない役割を担うのが研磨工です。

作業別:研磨工の仕事内容

研磨とは、製品表面の凸凹を削って滑らかにし、ツヤを出すことです。研磨工はこの研磨に取り組みます。そもそも研磨は、「研削」と「琢磨」の2つの作業を合わせた言葉です。それぞれの作業の概要は以下の通りです。

  • 研削:製品の凸凹している部分を削って滑らかにする
  • 琢磨:研削した部分を磨いてツヤを出す

表面に凸凹が残った状態の製品は、使用感が悪いだけではなく使用中に怪我などのトラブルにつながるリスクがあるため、研削で取り除かなければなりません。また、琢磨を行うことで見た目を美しくできます。

研磨工は研削と琢磨に取り組むのが基本的な仕事です。ただし、企業によってはどちらか一方の作業のみを行うケースもあるなど、業務内容は異なります。

製品別:研磨工の仕事内容

研磨は製品によって仕事内容が異なり、大きく分けて「金属研磨」「レンズ研磨」「宝石研磨」の3つに分類されます。

(1)金属研磨

金属研磨とは、その名の通り金属を磨く作業のことです。電化製品や自動車を生産する過程で行われます。金属研磨は凸凹を取り除く「下地」、表面をならす「ならし」、きれいにする「ツヤ出し」の3工程で進んでいく点が特徴です。作業では、金属の種類に応じて研磨に使用する素材を変更しますが、一般的にはダイヤモンドが使用されています。

(2)レンズ研磨

レンズ研磨とは、カメラや望遠鏡などに使用されるレンズを研磨する作業のことです。カメラなどのレンズはカーブをつける必要があるため、ジェネレーターという特殊な機械を使用して研磨を行います。

(3)宝石研磨

宝石研磨は、採掘した石を磨いて宝石に加工する作業のことです。作業ではファセットと呼ばれる専用の研磨機を使用します。加工する石をファセットに押し付けることで徐々に表面を削ります。

一口に研磨工と言っても、仕事内容は加工対象となるものによってさまざまです。また、加工する製品は勤務する工場の事業内容によって変わります。

研磨工の仕事の種類

研磨工の仕事は多岐にわたり、以下のような種類があります。

(1)砥石研磨

砥石研磨とは、回転している砥石に加工対象となる製品を当てて研磨する方法です。砥石を固定して製品に当てて研磨する方法や、砥石が付いた機械を製品に当てる方法があります。製品の凸凹を取り除く際に使用する方法です。

(2)研磨布紙加工

研磨布紙加工とは、砥粒(研磨時に使用する粉末状の物質)が配列されている布や紙を使って研磨する方法です。紙やすりを使って磨く作業をイメージしてください。ガラス製品や木工製品の研磨やサビ取りなどに使用する方法です。

(3)ラッピング研磨

ラッピング研磨とは、ラップ盤と呼ばれる台に製品を当てて研磨する方法です。ラップ盤の上に製品を固定し、そこに液体の研磨剤を流し込んで圧力をかけながら研磨します。主に電子部品や精密部品などの研磨で使用する方法です。

(4)バフ研磨

バフ研磨は研磨剤が付いたパフを回転させて研磨する方法です。パフは綿や麻、ウールなどで作られている柔らかい素材のことです。ポリッシング研磨と呼ばれることもあるバフ研磨は、主に製品の傷を消したりツヤを出したりする際に使用します。

(5)バレル研磨

バレル研磨とは、タンク型の大型容器の中に製品と研磨剤を入れ、機械を回転・振動させて研磨する方法です。バレル研磨は一度に多くの製品の研磨ができる点が特徴で、自動車部品や電子機器部品、メガネフレームなどの研磨に使用します。

(6)電解研磨

電解研磨とは、電気研磨液に製品を入れて電流を流すことで研磨する方法です。電気分解によって表面を溶かすことで製品を滑らかにできます。キッチン用品や医療用品の研磨に使用される方法です。

加工の目的や条件によって適切な研磨の種類を選択する必要があります。

研磨工の仕事がおすすめの人

研磨工の仕事は、以下のような特徴を持つ人たちにおすすめです。

  • ものづくりに興味のある人
  • 職人気質の人
  • 細かい作業が好きな人
  • きれい好きな人
  • 責任感が強い人

なぜ、このような人が研磨工に向いているのか、具体的な理由を解説します。研磨工の求人に興味がある人や、どういった人が研磨工に採用されるのか興味がある人はチェックしてみてください。

ものづくりに興味のある人

研磨工の仕事は、ものづくりの最終工程として行われることが多いため、ものづくりに興味を持っている人におすすめです。さまざまな工程を経て、最後の仕上げ段階に携われることは大きなやりがいとなります。

また、研磨の種類は多岐にわたり、加工対象となる製品も多種多様であるため、幅広い業界のものづくりに関わることも可能です。企業によっては業務経験の有無は不問としているケースもあります。

職人気質の人

研磨加工は、凸凹の除去やツヤ出しなど、細部まで丁寧に取り組む必要があるため、職人気質を持った人のほうが向いている職種です。

製品に凸凹が残っていたために、トラブルが発生する可能性はゼロではありません。そのようなトラブルを回避するためにも、手を抜くことなく細部にまでこだわりを持って丁寧に仕事に取り組むことが大切です。

研磨のプロとして、よりよいものを作り上げるという思いを持っていれば、研磨工として大きく成長できます。

細かい作業が好きな人

仕上げ部分を担当する研磨工の仕事は、製品の大小を問わず細かい部分にまで気を配る必要があるため、細かい作業が好きな人に向いています。

例えば、非常に小さい凸凹を取り除く、ほんのわずかな傷を磨いてきれいにするなど、細かい部分に注意しながら仕事をしなければなりません。細部にまでこだわりを持ち、徹底できる人には研磨工の仕事がおすすめです。

きれい好きな人

研磨工は、研削と琢磨から構成される仕事であり、中でも琢磨は製品を磨いてきれいに仕上げることを目的としているため、きれい好きな人に向いています。

自宅の掃除でも隅々まで徹底して行う、食器はピカピカになるように洗うなど、見た目の美しさ、きれいさにこだわれる人であれば、研磨工の仕事も楽しめるでしょう。掃除や洗濯、洗い物が苦にならない、といった人におすすめです。

責任感が強い人

研磨作業は、使用する機材や加工時の力のかけ具合によって仕上がりが大きく変わるため、自分の作業に対して責任を持って取り組むことが大切です。自分の知識と技術に自信と責任を持って丁寧に仕事に取り組める人が研磨工の仕事に向いています。

責任感の強い人は、自分の仕事を全うするために、資格取得やスキルアップにも積極的に取り組める人が少なくありません。向上心を持つことでより成果をあげられます。そういった人のほうが募集を出す企業にとっても採用したいと思えるでしょう。

まとめ

研磨工は、製品製造の現場で研削・琢磨の業務を担当する人のことです。研磨工には、砥石研磨や研磨布紙加工、ラッピング研磨などさまざまな仕事の種類があります。どのような業務を担当する場合でも、研磨工はものづくりに興味のある人が向いています。

また、ものづくりに関する仕事であるため、職人気質の人が向いている仕事です。きれい好きな人・細かい作業が好きな人も、研磨工の仕事に向いていると言えるでしょう。これらの資質を備えている人は、研磨工の仕事を検討してみてはいかがでしょうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA