ジョブチェンジとは、仕事(職種)を変えることです。「営業の仕事から経理の仕事に変更する」などのことを、ジョブチェンジと呼びます。勤務している会社を変える転職とは異なった概念です。
この記事では、ジョブチェンジとは何かについて、キャリアチェンジとの違いを踏まえて解説します。また、ジョブチェンジのメリット・デメリットや、ジョブチェンジで成功しやすい人の特徴についても取り上げるので、ぜひ参考にしてください。
目次
ジョブチェンジとは?種類も解説
ジョブチェンジとは、「ジョブ(仕事:job)」を「チェンジ(変える:change)」することであり、一般的には「職種を変えること」を意味しています。ジョブチェンジには、社内で職種を変更するタイプと、転職によって職種を変えるタイプがあります。ここでは、「社内でのジョブチェンジ」と「転職でのジョブチェンジ」について詳しく解説します。
(1)社内でのジョブチェンジ
現在勤務している会社の中で職種を変更することであり、ジョブローテーション制度や社内公募制度などを利用することが一般的です。転職せずに職種を変えられるため、人間関係をゼロから構築する必要がなく、社内システムや就業規則など新しく覚えることも少なくて済むでしょう。
(2)転職でのジョブチェンジ
主に現在勤務している会社と同じ業界・業種の別会社に転職した上で、今までとは異なる職種に就くことを指します。例えば、食品製造会社の営業職から他社の食品製造会社の開発職に転職する場合などが該当します。
キャリアチェンジとの違い
ジョブチェンジと似た言葉に「キャリアチェンジ」があり、「職種を変える」という点では同義であることから、同じような意味合いで使われることも少なくありません。ただし、ジョブチェンジが社内や同業界での職種変更を指すケースが多いのに対し、キャリアチェンジは主に異業種・異職種の仕事へのチャレンジを意味することが一般的です。
つまり、キャリアチェンジは「ジョブチェンジよりもキャリアの路線や方向性を大幅に変更すること」を指す場合が多いと考えられます。キャリアチェンジとの違いを踏まえた上で、ジョブチェンジを行うか検討するようにしましょう。
ジョブチェンジのメリット・デメリット
ジョブチェンジを行うことにはメリットもある一方、職種を変更することによるデメリットがあることにも注意が必要です。ここでは、ジョブチェンジのメリット・デメリットについて解説します。メリットとデメリットの両方を考慮した上で、長期的な視点でジョブチェンジを行うかどうか判断しましょう。
ジョブチェンジのメリット
ジョブチェンジを行う主なメリットとして、新しい知識や技術(スキル)が身につくことにより、キャリアの選択肢が広がることが挙げられます。ここでは、ジョブチェンジを行うことで得られる3つのメリットについて詳しく解説します。
(1)新しい知識やスキルを身につけられる
職種が変われば必要とされる知識やスキルも変わります。これまでに習得した知識やスキルに加えて、新たな職種での業務を通して新しい知識・スキルを身につけられるため、自分の強みを一層伸ばすことができるでしょう。
(2)キャリアの幅が広がる
新たな知識やスキルを身につけることは、自身のキャリア選択の幅を広げることにもつながります。役職としてのステップアップだけではなく、自分のキャリアを生かした新しい職種で活躍できる可能性もあるでしょう。
(3)仕事へのモチベーションを維持しやすい
ジョブチェンジを行って新しい職種に就くことにより、仕事に対してフレッシュな気持ちを持つことができます。新しい刺激やチャレンジも多いため、仕事に対するやりがいを感じやすく、モチベーションも維持しやすいでしょう。
ジョブチェンジのデメリット
ジョブチェンジにはメリットも多いものの、仕事に慣れるまで時間がかかる場合があることや、職種によっては収入が下がるケースもあることに注意が必要です。
(1)業務に慣れるまで時間がかかる
未経験の職種に挑戦する場合は、新しい業務を一から覚える必要があります。仕事に対する新鮮さを感じられる一方で、慣れるまでに苦労したりプライベートの時間を仕事の勉強に充てたりすることも少なくありません。先輩社員から教えてもらうことも多いため、慣れるまでは気を遣うことも多いでしょう。
(2)年収が下がる恐れがある
同じ会社内におけるジョブチェンジの場合は、給与など待遇面での条件も大幅には変わらないでしょう。一方、転職する場合は異職種からの未経験者採用となるため、収入が一時的に下がる可能性があります。転職先の給与体系や昇給形態を確認した上で、ジョブチェンジを行うか検討するとよいでしょう。
ジョブチェンジが成功しやすい人
ジョブチェンジを検討する際には、ジョブチェンジを行うメリット・デメリットを踏まえた上で、自分がジョブチェンジを行うのに向いているか考えることも大切です。ここでは、ジョブチェンジが成功しやすい人に見られる4つの特徴について解説します。
20代の若手・第二新卒社員
20代の若手や第二新卒社員は、社会人としての経験は少ないものの、新しいことに柔軟に対応でき、知識やスキルを吸収する力が高い傾向があります。業務に必要な知識やスキルも入社後に十分身につけることができるため、将来性を見込んで採用する企業も少なくありません。
また、体力面でも新卒社員と遜色なく活躍でき、30代以上の社員と比べて人件費を抑えられるケースが多いこともポイントです。ビジネスマナーが身についており、会社側が新たに研修を実施する必要がないことも、採用につながりやすいポイントと言えるでしょう。
ポータブルスキルの高い人
下記のような汎用性の高い「ポータブルスキル」を持つ方は、ジョブチェンジ後の仕事に慣れるのがスムーズな傾向があります。
◆代表的なポータブルスキル
- コミュニケーション能力
- プレゼン能力
- 問題解決能力
- パソコンやビジネスソフトに関する基本的なOAスキル
- 計画立案能力
- 交渉力
ポータブルスキルは業界・分野や職種を問わず、ビジネスにおいて必要とされる能力です。ポータブルスキルの高い方は、どの業界の転職市場でも大切にされるでしょう。
関連する資格の勉強・副業をしている人
新しい職種に関連する資格の勉強や副業をしている方の場合、その経験や実績が評価されて希望する職種へのジョブチェンジがスムーズに進むケースも少なくありません。副業でのつながりで、他社から人材スカウトや引き抜きの声がかかる可能性もあるでしょう。
また、資格取得に向けて勉強をしている方や副業に取り組んでいる方の多くは、新しい知識やスキルを習得する意欲が高い傾向にあります。ジョブチェンジ後の知識・スキルの習得に必要なセルフマネジメント能力や行動力も備わっているため、職種変更後も仕事をうまく軌道に乗せることができるでしょう。
新しいことに前向きに取り組める人
未経験の職種にジョブチェンジした場合、新しく覚える業務や職場のルールも多く、現職とは異なる課題に直面するケースも少なくありません。このような状況でも、新しいことに対してポジティブに取り組み、継続して努力できる方は、今までの経験に基づいて積極的に課題の解決を図れるでしょう。
面接などで新しいことに前向きに取り組めることをアピールするには、臨機応変に課題を解決した経験や、新たな商品を開発した経験などを積極的に伝えることが重要です。新しい物事への対応力が高い方はジョブチェンジ後の仕事を覚えるのも早く、職場にもすぐ馴染めるケースが多いため、即戦力として重宝されるでしょう。
まとめ
ジョブチェンジもキャリアチェンジも、職種を変えるという意味では同じです。しかし、ジョブチェンジは同じ業界や会社の中で職種を変えることが一般的である一方で、キャリアチェンジは異業種・異職種への挑戦を指します。
20代の若手社員やポータブルスキルの高い人は、ジョブチェンジに成功しやすいです。また、関連する資格の勉強をしている人・副業でその仕事を行っている人も、ジョブチェンジがうまくいきやすい傾向にあります。ジョブチェンジを検討している人は、自分のスキル・属性などをもとに、ジョブチェンジの実施について判断しましょう。
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