鉄道パーサーとは?仕事内容や年収・就職・転職で役立つ資格を解説!

鉄道パーサーとは?仕事内容や年収・就職・転職で役立つ資格を解説!

鉄道パーサーとは、新幹線や特急列車などに乗務し、乗客への案内やサービス提供を行う鉄道会社の職員です。鉄道会社によっては「客室乗務員」や「アテンダント」などと呼ばれることもあります。安全な運行を支えつつ、乗客が快適に過ごせるようサポートする接客のプロフェッショナルです。

当記事では、鉄道パーサーの仕事内容や年収、就職方法に加え、役立つ資格や魅力についても詳しく紹介します。鉄道業界に興味がある方や、接客を通じて人と関わる仕事がしたい方は、ぜひ参考にしてください。

鉄道パーサーとは

鉄道パーサーとは、新幹線や特急列車などに乗務し、乗客への案内やサービスを担当する鉄道会社の職員のことです。鉄道会社によっては「客室乗務員」「アテンダント」などと呼ばれることもあり、いずれも乗客が快適で安全に過ごせるようサポートする役割を担っています。新幹線に乗務する場合は「新幹線パーサー」と呼ばれ、新幹線パーサーも鉄道パーサーの一種です。

以下では、鉄道パーサーの具体的な仕事内容を紹介します。

鉄道パーサーの仕事内容

鉄道パーサーの基本的な仕事内容は、乗客へのサービス提供に加え、列車内で必要となるさまざまな業務を含みます。たとえば、車内での切符販売、飲食物やお土産のワゴン販売、清掃や備品の補充、安全確認の車内アナウンスなどがその一部です。乗客の質問に対応しながら、より良いサービスを提供することが求められます。

新幹線パーサーの場合は、車内を巡回しながら乗客への接客を行うのが中心となります。業務の始まりは車内誌の準備や備品の確認からで、出発後は車内をまわりながらワゴンでの販売を行い、乗り換え案内や到着時刻などの質問にも対応します。

たとえば東海道新幹線では、2名体制で業務を進めるのが一般的です。1人は「車内巡回」を担当し、乗客の様子に目を配りながら困っている方には自ら声をかけてすぐに対応します。切符の確認や座席案内、緊急時の対応など、一部の車掌業務も兼ねているのが特徴です。もう1人はグリーン車専任で「モバイルオーダーサービス」を担当し、スマートフォンからの注文に応じて軽食やドリンクなどを提供し、ワンランク上の接客を行っています。

鉄道パーサーには、万が一の際にも落ち着いて対応できる力が欠かせません。急病人の発生時や列車の遅れなど、乗客に不安を与えないよう迅速かつ丁寧に行動することが求められます。接客、販売、安全対応と多彩な業務を担う鉄道パーサーは、柔軟性と責任感が問われる重要な職種です。

鉄道パーサーになるには?

鉄道パーサーになるために特別な資格は必要ありません。主な就職先としては、大手鉄道会社のグループ会社や地方の鉄道会社などがあり、鉄道パーサーの業務を担当する部門や関連会社に入社することで、乗務するチャンスが得られます。

一般的には、高校や専門学校、大学を卒業後に就職するケースが多く見られますが、高卒からの採用も十分に可能です。実際、車掌や駅員などの現場職は高卒者が多いと言われており、現場志向の方にとっては早い段階での就職がむしろ有利に働くこともあります。

また、中途採用や異業種からの転職も可能です。特に地方の鉄道会社や第3セクターでは人材を積極的に募集していることも多く、採用のチャンスが広がっています。ただし、年齢制限や不定期の募集があるため、事前の情報収集が重要です。

鉄道パーサーとして働くためには、接客スキル、冷静な判断力、高いコミュニケーション能力が求められます。乗客の安全を第一に考え、丁寧な対応ができる方に向いている仕事です。精神的なタフさや臨機応変な対応力も大切な要素と言えるでしょう。

鉄道パーサーになるためにおすすめの資格

鉄道パーサーになるために必須の資格はありませんが、就職や現場での活躍に役立つ知識やスキルを身につけておくと安心です。

ここでは、鉄道パーサーを目指す方におすすめの資格を解説します。

旅行業務取扱管理者

旅行業務取扱管理者は、旅行業界で唯一の国家資格です。旅行商品を取り扱う旅行会社や代理業者において、営業所ごとに旅行業務取扱管理者を持つ人を選任し、業務の監督や取引条件の説明などを行わせることが法律で義務づけられています。

出典:一般社団法人全国旅行業協会「試験・研修」

旅行業務取扱管理者には「国内旅行業務取扱管理者」「総合旅行業務取扱管理者」「地域限定旅行業務取扱管理者」の3種類があり、それぞれ取り扱える旅行商品や地域の範囲が異なります。

出典:国土交通省観光庁「旅行業務取扱管理者」

国内のみであれば比較的取得しやすく、旅行業界への第一歩としても適しています。

受験資格に制限はなく、年齢や学歴を問わず挑戦できます。独学で合格する人も多く、通信教育や専門学校を利用する方法も選択肢の一つです。将来のキャリアアップや転職を考える上でも、取得して損のない資格です。

サービス介助士

サービス介助士は、高齢者や障がいのある方が安心して社会参加できるようにサポートするための知識と技術を学べる資格です。鉄道パーサーとして働く上で、お年寄りや身体の不自由な方と接する機会は決して少なくありません。そのようなときに、サービス介助士を取得していれば、適切な対応がしやすくなるでしょう。

たとえば、車椅子のお客様の乗降補助や、視覚に障がいのある方への声かけ・誘導など、場面ごとに求められる配慮があります。施設のバリアフリー化が進んでいるとはいえ、人的なサポートが必要な場面は今後も多く存在します。

「おもてなしの心」と「実践的な介助技術」の両方を身につけることができる点で、鉄道パーサーを目指す方にもおすすめの資格です。

出典:公益財団法人日本ケアフィット共育機構「サービス介助士 資格とは?」の名称

TOEIC

近年、日本を訪れる外国人観光客が増えたことで、鉄道パーサーにも英語での対応が求められるようになってきました。特に駅や車内で道案内や乗り換えの説明を行う際、英語力があればスムーズに対応でき、お客様に安心感を与えることができます。

そのため、英語力の証明として有効な資格の一つが「TOEIC」です。接客業全般で生かせるTOEICは、500点以上を目安にしておくと、就職活動でも好印象を与えられるでしょう。実際に、多くの企業がTOEICスコアを採用基準の1つとして設定しています。

中国語・韓国語に関する資格

近年、日本を訪れる外国人観光客の中でも特に多いのが中国と韓国からの旅行者です。こうした背景から、鉄道パーサーとして外国人対応を求められる場面で、中国語や韓国語のスキルが大きな強みとなります。英語に加えて中国語や韓国語が話せることは、採用や配属の際にも大きく評価されるポイントです。

語学力を証明する資格としては、中国語なら中国語検定、韓国語ならハングル能力検定がおすすめです。日本国内で広く認知されており、接客を前提とした現場での使用にも適した資格です。目安としては、中国語検定で3級、ハングル能力検定で準2級を取得しておくと、日常的な接客対応がスムーズに行えるレベルとされています。

サービス接遇検定

サービス接遇検定は、顧客対応の基本から応用までを体系的に学べる検定です。特に「おもてなしの心」を実践的なかたちで身につけたいと考えている方におすすめの内容となっています。鉄道パーサーは多くの乗客と接するため、サービス接遇検定を通じて丁寧な対応や適切な言葉遣いを身につけておくと、実際の場面でも自信を持って対応できるようになるでしょう。

検定では、話し方や立ち居振る舞いといった接遇スキルに加えて、対人心理や経済用語の理解も求められます。接客の経験が浅い方でも基礎からしっかり学べるため、これからサービス業に挑戦したいという方にもおすすめの資格です。

鉄道パーサーの年収

鉄道パーサーの平均年収はおよそ300万~400万円といわれており、接客業全般の中では標準的な水準です。就職する鉄道会社の規模や地域、雇用形態によって差が出ることはありますが、基本的には月給制で安定した収入が得られます。業務内容によっては別途手当が支給されることもあり、たとえば寝台列車など宿泊を伴う勤務地では、数万円単位の手当が上乗せされることもあります。

また、車内販売の売上に応じたインセンティブが支給される会社もあり、努力次第で収入アップを目指すことも可能です。経験を重ねて後輩指導なども担うようになれば、昇給のチャンスも広がります。鉄道業界は比較的安定した業界とされており、長期的な視点でキャリアを築きたい方にとっては安心して働ける環境と言えるでしょう。

鉄道パーサーの魅力

鉄道パーサーの仕事には、人とのふれあいや学びが詰まっています。乗客と直接関わる場面が多いため、接客業としてのやりがいを感じやすく、笑顔で感謝されるたびにモチベーションが高まるでしょう。

どのような言葉がけや対応が相手に安心感を与えるのかを考え、実践することは、日々の業務を通じて自然と身につくスキルです。

また、鉄道に関する知識を深められることも大きな魅力の1つです。時刻表や停車駅、車両の特徴など、鉄道ならではの知識を身につけられる環境は、鉄道好きの方にはたまらないでしょう。さらに、仕事を通じて全国各地を訪れることができるのも鉄道パーサーならではの楽しみです。移動するたびに新しい景色や街並みに出会えるので、旅好きな方にも向いている仕事と言えます。

まとめ

鉄道パーサーは、新幹線や特急列車に乗務し、乗客への案内やサービスを提供する接客の専門職です。おもてなしの心を大切にしながら、安全で快適な移動を支えるという重要な役割を担っています。特別な資格は必要ありませんが、接客スキルや語学力、サービス関連の資格を持っていると就職に有利になることもあります。

鉄道に関する知識を深めながら、全国各地を巡る仕事に興味がある方や、人と接することが好きな方にとって、やりがいのある職業です。鉄道パーサーという仕事に魅力を感じた方は、ぜひ一歩踏み出して目指してみましょう。

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