忙しい毎日の中で、資格取得に時間を割けない方も多いでしょう。しかし、講習を受けるだけで、短期間で取得できる資格が存在します。例えば、食品衛生責任者や防火管理者、特定粉じん作業者など、業界で必要とされる国家資格があります。
また、倉庫管理主任者や終活カウンセラー、整理収納アドバイザーといった民間資格も短期間で取得可能です。これらの資格を持つことで、就職や転職活動が有利になるケースも少なくありません。
当記事では、講習だけで簡単に取得できる資格について詳しく解説します。
目次
講習だけ!または一日で取れる国家資格一覧
国家資格 | 受講料 | 取得までの目安期間 |
---|---|---|
食品衛生責任者 | 12,000円(東京都の場合) | 約6時間の講習の後に試験合格 |
防火管理者 | 8,000円(甲種) 7,000円(乙種・甲種再講習) |
講習のみ 約10時間(甲種) 約5時間(乙種) 約2時間(甲種再講習) |
特定粉じん作業者 | 10,000円前後 | 1日間の講習のみ |
講習のみ、または1日など短期間で取れる国家資格の例としては、上記の3つが挙げられます。各国家資格の概要や活用できる分野について、詳しく解説します。
食品衛生責任者
食品衛生責任者は、営業者の指示に従って、HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理にあたる人のことです。外食産業や食品製造業といった現場で、各施設に1人以上配置することが義務付けられています。HACCPは食品等事業者自らが食中毒や異物混入などの危険要因を把握し、除去または低減させるための管理を行うことで、製品安全性を確保する衛生管理手法を指します。
食品衛生責任者の国家資格を取得するためには、各自治体が実施する「食品衛生責任者養成講習」の受講と資格試験への合格が必要です。食品衛生責任者の有資格者は、飲食店やパン・洋菓子の製造、有名菓子メーカーの製造系総合職など多くの職場で優遇される可能性があります。
更新が必要なく、一度取得すると一生物の資格として活用できるため、飲食業界で働きたい場合におすすめの国家資格です。
防火管理者
防火管理者は、多数の人が利用する建物の「火災等による被害」を防止するための責任者を認定する国家資格です。防火管理にかかわる消防計画の作成やその計画に則って防火管理上必要な業務を遂行する責任も担います。
一定規模以上の飲食店や映画館、宿泊施設といった不特定多数の人が使う施設には、防火責任者の設置が義務付けられています。甲種防火責任者はすべての防火対象物で責任者になれますが、乙種防火責任者は比較的小規模な防火対象物でのみ責任者になれるのが特徴です。
資格取得のためには、消防署や総務大臣が認定する日本防火・防災協会などの登録機関が実施する講習を受ける必要があります。防火管理者講習は「甲種新規講習」・「乙種講習」・「甲種再講習」の全部で3種類です。
甲種新規講習は通常2日間をかけて約10時間の講習を受講、乙種講習は1日で約5時間の講習受講が必要です。甲種再講習は、約2時間の講習で済みます。受講料については、甲種新規講習が8,000円(税込)、乙種講習と甲種再講習は7,000円(税込)必要です。
特定粉じん作業者
粉塵が多い環境になりやすい工事中のトンネル坑内をはじめとした現場では、じん肺などのリスクが伴うため、法律で「特定粉じん作業」が定められています。じん肺は長期的に細かいほこりを吸い続けると発症する可能性があり、一度発症すると治らないと言われています。
特定粉じん作業に就く者は、労働安全衛生法に基づく特別教育を受講して「特定粉じん作業者」の資格を取得しなければ、現場業務に従事できません。
特定粉じん作業者の資格は、1日間の講習を受けることで取得可能です。受講料は実施機関や会場によって異なるものの、10,000円前後が多い傾向にあります。
講習だけ!または一日で取れる民間資格一覧
国家資格 | 受講料 | 取得までの目安期間 |
---|---|---|
倉庫管理主任者 | 12,000円前後 | 約5時間の講習のみ |
終活カウンセラー | 税込16,000円(2級) | 約6時間の講習の後に試験合格 (2級) |
整理収納アドバイザー | 税込24,700円 (2級) |
1日間の講習のみ (2級) |
比較的挑戦しやすい民間資格としては、上記のような資格が挙げられます。各資格の概要や取得までの期間などについて具体的に解説するため、資格取得を検討する際に役立ててください。
倉庫管理主任者
倉庫管理主任者は、学歴や職歴に関係なく、毎月全国で実施される約5時間の講習を受講するだけで取得できる民間資格です。倉庫業法では、倉庫を運営するにあたり、倉庫業者に対して倉庫管理主任者の設置を義務付けています。
倉庫管理主任者は、倉庫管理業務に関して一定の実務経験を持つ者の中から選任されますが、実務経験を持つ者が不在の場合は講習を修了した者についても選任可能です。火災などの災害や労働災害を防止し、貨物・従業員の異常を防ぐ役割を担います。
受講料は、倉庫管理主任者講習の実施会場によって異なるものの、基本的に12,000円前後のケースが多い傾向にあります。日本倉庫協会会員の場合は一般受験者よりも受講料が安くなり、6,000円前後で受講可能です。
終活カウンセラー
終活カウンセラーとは、終活に関する知識を身につけたスペシャリストとして、終活世代が抱える悩みと専門家の架け橋になることを目指す資格です。終活カウンセラー2級の場合は、約6時間の講習受講と筆記試験の合格によって資格認定されます。
終活カウンセラーとしての活躍事例は、以下の通りです。
- 終活を行っている方のカウンセリング
- 相談相手に応じた適切な専門家の紹介
- 相談者の役所手続きなどのサポート
- 終活についてのセミナーや講演、相談会の開催など
上記の通り、終活カウンセラーの資格は、終活に関するさまざまなシーンで活用できます。2級の受講料は、講習代・試験代込み・お弁当付きで税込16,000円です。オンライン検定を利用して資格を取得する場合は、お弁当の代わりにエンディングノート1冊が受け取れます。
整理収納アドバイザー
整理収納アドバイザーは、片付かない原因・問題点に目を向けてモノとの関わり方を見直すことで、暮らしを豊かにするためのプロを認定する資格です。資格は1級から3級までありますが、1級を取得すると「整理収納アドバイザー」と名乗れます。
1級を受験するには2級・準1級それぞれへの合格が欠かせないため、整理収納アドバイザーを目指すなら最初に2級を取得する必要があります。整理収納アドバイザー2級は、1日の講習で取得できて、気軽にチャレンジしやすい資格です。
受講方法は「Webで動画講座を受講する」「全国の会場で講座を受講する」「Zoomを使用したオンライン講座を受講する」の3パターンから都合に合わせて選べます。受講料は、テキスト代・認定料込みで税込24,700円です。ハウスキーピング協会の公式ホームページから「特典コード」を入力すれば、特典価格で受講できます。
資格があると就職・転職活動で有利になる?
資格取得が就職や転職にもたらすメリットとしては、次の3点が挙げられます。
- スキルや知識をアピールしやすい
- 自ら学ぶ力や行動力のアピールにつながる
- 転職の選択肢が広がる
就職・転職する職種の業務に関わる資格を取得していると、一定の技能や知識の証明につながる点がメリットです。また、キャリアアップのために自ら学習する力や、目的・目標に向かって積極的に行動した経験があること自体も好印象につながる可能性があります。
資格取得で得た気づき、モチベーションが向上した経験などを自分の言葉で話せると、仕事に対する熱意が伝わって就職・転職でも有利に働くでしょう。
さらに、業種によっては特定の資格取得が必須というケースも少なくありません。あらかじめ計画的に資格を取得しておけば、転職の選択肢が広がるといったメリットがあります。就職や転職に関係なく、資格取得を通じて業務に関連するスキルや知識を習得することで、新しい仕事を任せてもらえる可能性も高まるでしょう。
まとめ
講習を受けるだけで取得できる資格には、食品衛生責任者、防火管理者、特定粉じん作業者などがあります。これらの資格は、特定の業界で働くために必要とされ、高い需要があります。
また、倉庫管理主任者、終活カウンセラー、整理収納アドバイザーといった民間資格も、比較的短期間で取得できるため、忙しい方にもおすすめです。資格を取得することで、スキルや知識の証明になり、就職や転職活動での強力なアピールポイントとなります。
さらに、資格取得を通じて得た知識や経験が、仕事の幅を広げ、キャリアアップにもつながります。これらのメリットを最大限に活用して、自分のキャリアをさらに向上させましょう。
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