介護におすすめの資格一覧|代表的な資格と取得するメリットを解説!

介護におすすめの資格一覧|代表的な資格と取得するメリットを解説!

介護の仕事に興味があっても、「どの資格から始めればいいのか分からない」と感じている方は多いのではないでしょうか。介護業界には、基礎から段階的に学べる資格制度が整っており、ステップアップしながらキャリアを築くことができます。中でも「介護職員初任者研修」や「実務者研修」、「介護福祉士」は、特におすすめの代表的な資格です。

当記事では、介護の現場で生かせる資格の種類や、取得によるメリットを詳しく解説します。これから介護の仕事を始めたい方、専門的な知識を身につけて長く働きたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

介護におすすめの資格一覧

以下では、介護の仕事で役立つ主な資格をまとめました。これから資格を取ろうと考えている方は、ぜひ資格概要をチェックしてみてください。

資格名 内容
介護職員初任者研修 介護の基本を学ぶ入門資格。訪問介護や施設介護、病院介護での基礎的な業務に従事できる。
介護福祉士実務者研修 介護職員初任者研修の上位資格。より高度な介護知識を習得し、介護福祉士の受験資格を得られる。
介護福祉士 介護業界で唯一の国家資格。介護現場での専門的な知識と技術を持ち、身体介護や生活援助、相談・助言、チームマネジメントなどを行う。
認定介護福祉士 介護福祉士の上級資格で、1類と2類の2種類がある。現場のリーダーとして職員の指導や介護サービスの向上を図る。
介護支援専門員(ケアマネジャー) 要介護者のケアプラン(サービス計画書)を作成する専門職。介護保険制度の理解が必要になる。
認知症介護基礎研修 認知症ケアの基本的な知識を学ぶ研修。
認知症介護実践者研修 介護施設等で認知症ケアを実践するための専門的な研修。
認知症介護実践リーダー研修 介護現場で認知症ケアのリーダーとなるための研修。
認知症ケア専門士 認知症ケアの専門知識を持つことを証明する資格。
認知症ライフパートナー 認知症の人の生活を支援する資格。
認知症ケア指導管理士 認知症ケアに関する指導や管理を行う資格。
重度訪問介護従事者養成研修 重度障がい者の訪問介護を行うための研修。
同行援護従業者養成研修 視覚障がい者の外出支援を行う資格。
難病患者等ホームヘルパー 難病患者の在宅支援を行うための資格。
移動介護従事者(ガイドヘルパー) 障がい者の外出支援を行う資格。
相談支援従事者初任者研修 障がい福祉サービスの相談支援を行うための研修。相談支援専門員になるために必要な資格。
社会福祉士 社会福祉専門職の国家資格。生活困窮者や高齢者、障がい者の相談支援を行う。
精神保健福祉士 精神疾患を持つ人の社会復帰を支援する国家資格。
福祉住環境コーディネーター 高齢者や障がい者が住みやすい住宅環境を提案する資格。
福祉用具専門相談員 車いすや介護ベッドなどの福祉用具を適切に選定・提案する資格。
レクリエーション介護士 高齢者向けのレクリエーションを企画・実施する資格。
サービス提供責任者 訪問介護事業所の管理職。介護計画の作成やヘルパーの指導を行う。
介護予防運動指導員 高齢者向けの介護予防運動を指導する資格。
介護事務 介護保険請求や介護事業所の事務業務を担当する資格。

介護に生かせる資格3つ

介護の仕事に携わる上で、代表的な資格として「介護職員初任者研修」「介護福祉士実務者研修」「介護福祉士」の3つがあります。まずは初任者研修で基礎を学び、次に実務者研修で応用力を養い、最後に国家資格である介護福祉士の取得を目指す流れが一般的です。

ここでは、介護に生かせる資格3つを詳しく解説します。

出典:厚生労働省「介護に関する資格等について」

介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)

介護職員初任者研修は、介護職の入門的な資格で、介護の基礎を学びたい方におすすめです。初任者研修を修了することで、利用者の身体に直接触れる身体介護を1人で行えるようになり、訪問介護や施設での介護業務に自信を持って取り組めるようになります。初任者研修は、2013年に廃止された「ホームヘルパー2級」と同等の位置づけにあり、介護職キャリアの第一歩となる資格です。

受講にあたって特別な条件はなく、誰でも挑戦できます。介護職は無資格でも始められますが、初任者研修を取得することで応募できる求人の幅が広がり、採用時の評価や給与面でも有利に働くことがあるでしょう。学習方法には通学と通信がありますが、いずれも修了試験に合格することで資格が得られます。

通学で学ぶ場合は130時間のカリキュラムを修了し、修了試験に合格すれば資格取得となります。通信講座を選べば、自宅学習と実技演習を組み合わせて、自分のペースで学ぶことも可能です。これから介護の仕事に挑戦したい方にとって、初任者研修は心強い味方となるでしょう。

実務者研修

介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修の上位に位置づけられる資格で、より専門性の高い知識と技術を習得することができます。実務者研修では、介護過程の展開やたん吸引などの医療的ケアについても学び、介護職としてさらに実践力を高めることができます。かつてのホームヘルパー1級や介護職員基礎研修と同等の内容を含む資格です。

受講にあたっては、資格や経験の有無を問われることはなく、無資格・未経験の方でも受講可能です。また、実務経験を積んで介護福祉士国家試験を受験するには、実務者研修の修了が必須です。そのため、将来介護福祉士を目指している方には避けて通れない重要なステップと言えるでしょう。

なお、初任者研修が9科目・130時間のカリキュラムであるのに対し、実務者研修は20科目・450時間と、内容もボリュームも大きく異なります。その分、身につけられる知識や技術も豊富で、実務に即した力をしっかりと養うことができます。介護職で確実にキャリアアップを目指したい方にとって、実務者研修はぜひ取得しておきたい資格です。

介護福祉士

介護福祉士は、数ある介護系資格の中でも唯一の国家資格であり、国から専門性を認められた介護職としての証です。介護福祉士国家試験に合格し、登録を行うことで正式な資格保有者となり、身体的・精神的ケアに加え、現場職員の指導や育成も担えるようになります。専門的知識と技術を持つ人材として見なされるため、就職・転職の際にも非常に有利です。

介護福祉士の資格は一度取得すれば更新の必要がなく、全国どこでも通用する「一生もの」の資格です。2016年の制度改正により、現在は「実務経験ルート」「養成施設ルート」「福祉系高校ルート」の3つのルートで資格を目指すことができますが、多くの方が選んでいるのは、現場で働きながら取得を目指す「実務経験ルート」です。

出典:厚生労働省「介護福祉士資格の取得方法について」

「実務経験ルート」では、「3年以上の実務経験」と「介護福祉士実務者研修修了」の2つの条件を満たすことで、国家試験の受験資格が得られます。現場経験を生かしてステップアップを目指す方にとって、現実的かつ有効な選択肢と言えるでしょう。

介護の資格を取得するメリット

介護の仕事をこれから始めたい方も、すでに現場で働いている方も、資格の取得によって大きく道が開けます。

ここからは、介護資格を持つことで広がる可能性や、実際にどのようなメリットがあるのかを紹介します。

就職・転職で有利になる

介護業界は慢性的な人手不足が続いており、未経験者でも就職しやすい職種の1つです。しかし、どの職場でも歓迎されるのは、やはり即戦力となる人材です。そのため、たとえ実務経験がなくても、何らかの介護資格を取得していれば、「基本的な知識や技術がある」と評価され、採用されやすくなります。特に「介護職員初任者研修」は、介護職の入門資格として多くの事業所で重視されている資格です。

初任者研修修了者であれば、有資格者の指導がなくても身体介護に従事できるようになり、訪問介護や施設介護の現場で幅広く活躍できるようになります。また、「初任者研修以上の資格取得者」を応募条件にしている求人も増えており、資格を持っていることで応募できる求人の幅が大きく広がります。

スキルアップ・キャリアアップを目指せる

介護の仕事は、資格を取得することでスキルアップやキャリアアップを実現できる業界です。まずは「介護職員初任者研修」から始め、次に「実務者研修」、そして国家資格である「介護福祉士」へとステップアップしていくキャリアパスが一般的です。これらの資格はそれぞれ上位資格の受験要件にもなっており、順を追って学びながら着実にレベルアップできる仕組みになっています。

さらに、介護福祉士の資格を取得した後には、「ケアマネジャー(介護支援専門員)」や「サービス提供責任者」など、より専門性の高い職種や役職にも挑戦できるようになります。また、施設の運営に関わる「管理者」や「エリアマネージャー」といったポジションへの昇進も視野に入るでしょう。

給与が上がる

介護の資格を取得することは、スキルアップだけでなく収入アップにもつながります。

厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、下記のように保有する資格によって平均給与額に差が生じています。

資格名 平均給与額
介護福祉士 331,080円
社会福祉士 350,120円
ケアマネジャー(介護支援専門員) 376,770円
実務者研修 302,430円
介護職員初任者研修 300,240円
保有資格なし 268,680円

出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」

資格なしと比較すると、初任者研修のほうが約31,000円高く、介護福祉士のほうが約62,000円高いという結果が示されています。

介護の現場では、多くの施設で資格手当が支給されているため、持っている資格の種類や役職によって給料に差が出やすくなっています。特に「介護福祉士」や「ケアマネジャー」などの上位資格を取得すると、任される仕事の責任も大きくなり、その分給料が上がる可能性も高いでしょう。

まとめ

介護の仕事は、人の役に立てるやりがいのある仕事です。資格を取得することで、業務の幅が広がるだけでなく、自信を持って現場に立つことができるようになります。「介護職員初任者研修」から始まり、段階的にステップアップできる制度が整っているため、未経験の方でも安心して取り組むことが可能です。

将来的には、国家資格である介護福祉士や、ケアマネジャーを目指す道も開けてきます。これから介護の仕事に挑戦したいと考えている方は、まずは自分に合った資格を見つけるところから始めてみましょう。

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