事務職におすすめの資格6選!一般事務で有利になる資格と取り方

事務職におすすめの資格6選!一般事務で有利になる資格と取り方

一般事務は人気のある職種のためライバルが多く、自分を効果的にアピールすることが難しい側面もあります。「事務系に就きたいけれど、未経験だから採用されるか心配」「自分にスキルがあることを面接官にうまく伝えられない」という悩みを持つ方も多いでしょう。
しかし、事務職に役立つ資格を取得することで、スキルを客観的に証明し、採用担当者からの評価を高めることが可能です。

当記事では、事務職への就職や転職に特に有利な資格6つを紹介します。資格取得を通じて事務職として採用されやすくなるだけでなく、事務職経験者としてのスキルアップや給与改善にも役立つでしょう。

一般事務の仕事内容は?資格は必要?

一般事務とは、企業内におけるさまざまな事務作業を幅広く行う仕事です。医療事務や貿易事務のように特定分野を専門とするのではなく、書類作成や整理、データ入力、電話やメール応対、来客対応など、定型的な事務業務やオフィスワークを中心に担当します。一般事務は会社の運営に欠かせない重要なポジションであり、部署ごとの円滑な業務遂行を支える役割を果たしています。

以下に一般事務の主な仕事内容を表でまとめました。

書類作成・文書作成 文書や伝票、請求書などの定型書類を作成・管理する。
ファイリング 作成した書類を種類や日付別に分類し、整理・保管する。
データ入力 顧客情報や売上データなどをパソコンで入力する。
伝票処理・整理 発注伝票や受注伝票などを処理・整理し、社内のお金の流れを管理する。
電話対応・メール対応 社内外からの電話やメールに対応し、担当部署への取次ぎを行う。
来客応対 来訪者があった際、会議室への案内やお茶出しなどを行う。
備品管理・発注 文房具やOA機器などの消耗品・機器の管理や発注を担当する。

一般事務の仕事は基本的に未経験でも応募可能であり、入職の際に特別な資格を求められることはほぼありません。そのため、多くの人が応募しやすく人気があります。

一般事務職が資格を取得するメリットは?

一般事務職が資格を取得するメリットは、就職や転職の際に有利になったり、職場での評価や給与アップにつながったりする点です。事務職は営業職や技術職と比べて、スキルや実績を具体的にアピールしにくい職種ですが、資格を取得しておくことで、自分のスキルを客観的に証明できます。

また、資格取得は意欲的に学ぶ姿勢のアピールにつながり、企業の採用担当者から評価されやすくなることもポイントです。会社によっては資格手当が支給されるほか、資格取得が昇給・昇進の条件になっているケースもあり、給与や待遇の改善を図ることが可能です。簿記など専門的な資格を取ることで、経理や人事など専門性の高い職種にステップアップできる可能性も広がるでしょう。

未経験でも有利に!一般事務職におすすめの資格6選

未経験で一般事務系への就職や転職を考えているなら、事務系資格を取得するほうがスムーズに選考が進む場合があります。ここからは、特に受験資格が設けられておらず、一般事務職に特におすすめの資格を6つ紹介します。

MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)

MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)とは、Excel・Word・PowerPointなど、Microsoft Office製品の操作スキルを客観的に証明できる国際資格です。試験は、実際にパソコンを使う実技形式で行われます。資料作成やデータ分析など、事務全般に直結する実務スキルが身に付くため、多くの企業が社員教育としても採用しています。

MOSはOffice製品のバージョンごとに試験があり、現在はMOS365とMOS2019が主流です。合格基準は科目により異なりますが、1,000点満点中550~850点が目安です。試験終了後すぐに結果が分かりますが、合格率は公開されていません。難易度は一般的に易しい部類とされ、初心者にもおすすめの資格の1つです。

出典:マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)

簿記

簿記は、企業のお金の流れを記録・整理し、経営状態を正確に把握するためのスキルを身に付ける資格です。日商簿記と全商簿記の2種類がありますが、一般的に簿記と言えば日本商工会議所が実施する「日商簿記」を指します。

3級では基本的な商業簿記を学び、小規模な企業における経理業務を行うための知識を習得します。試験時間は60分、70%以上の正答で合格となり、合格率は30~40%程度で推移しています。2024年11月に行われた第168回統一試験の合格率は29.5%でした。

2級では高度な商業簿記や工業簿記が試験範囲となり、企業の経営状況の分析や管理に役立つスキルが求められます。試験時間は90分で合格基準は70%以上です。近年の合格率は11~29%程度で推移しており、難易度はやや高めで、第168回統一試験の合格率は28.8%でした。

出典:簿記

ITパスポート

ITパスポート(iパス)とは、社会人に必要なITや経営に関する基礎知識を証明する国家資格です。ITに関する基本的な知識を身に付け、経営戦略やマーケティング、財務、法務などの幅広い分野を学ぶことで、ビジネスシーンにおいて適切にITを活用する力を習得できます。

試験はコンピューターを用いたCBT方式で行われ、経営関連のストラテジ系、IT管理に関するマネジメント系、IT技術に関するテクノロジ系の3分野から計100問が出題されます。合格基準は総合評価点が1,000点中600点以上、かつ各分野で300点以上です。合格率は比較的高めで、2023年度では50.3%のため、実務経験がなくても挑戦しやすい資格と言えるでしょう。

出典:ITパスポート試験

情報セキュリティマネジメント

情報セキュリティマネジメントは、情報管理を適切に行い、組織の情報漏えいやサイバー攻撃などのリスクを防ぐための国家資格です。ITの技術的な知識だけでなく、組織内でのルールや業務フローの整備、従業員の情報セキュリティ意識向上を推進するための知識を学ぶことができます。

試験内容は情報セキュリティ対策、関連法規、リスク管理など幅広く、60問を多肢選択式で解答します。試験時間は120分で、総合評価点が1,000点満点中600点以上を取得すれば合格です。合格率は比較的高めで推移しており、2024年度では72.6%でした。ITパスポートからステップアップしたい方にもおすすめの資格です。

出典:独立行政法人情報処理推進機構「情報セキュリティマネジメント試験」

秘書検定

秘書検定とは、社会人として必要なビジネスマナーや常識、相手に好印象を与える立ち振る舞いを習得できる資格です。資格取得を通じて、言葉遣いや態度など、職場で求められる基本的なコミュニケーション能力が身に付きます。

試験内容は、職務知識や一般常識などの「理論」と、マナー・接遇や技能に関する「実技」の2分野に分かれており、それぞれ60%以上の正答率で合格となります。筆記試験は選択式と記述式があり、準1級と1級では筆記試験の合格後に面接試験も課されます。難易度は3級が基本的な内容となっており、2級以上は職場での具体的な状況に応じた判断力が問われます。2024年11月に行われた第134回試験の合格率は3級が59.2%、2級が57.2%なので、事務未経験でも取得しやすい資格と言えるでしょう。

出典:ビジネス系検定「秘書検定」

文書情報管理士

文書情報管理士は、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が認定する資格で、オフィスで扱われる紙文書の電子化や安全な長期保管に必要な技術と、関連する法律や規格の知識を問う検定試験です。資格には2級・1級・上級の3つのレベルがあり、2級では基礎的な知識や文書管理技術を、1級ではより専門的な知識と現場での指導能力を、上級では高度な分析力やシステム構築能力を学びます。

試験は年2回、全国の試験会場でCBT方式によるパソコンでの選択式問題を実施し、80問を90分で解答します。合格基準は各級とも70%以上の正答率です。2024年3月時点での資格取得者は累計18,215人であり、2024年冬期試験の合格率は2級が58%、1級が60%、上級は54%でした。文書の安全な管理方法や電子保存方法などを学べるので、一般事務の業務内容にも生かせるでしょう。

出典:公益社団法人日本文書情報マネジメント協会「文書情報管理士」

まとめ

事務職は未経験でも挑戦しやすい職種ですが、資格を持つことで自分の能力を明確にアピールでき、就職活動や転職活動をスムーズに進められる可能性があります。MOSや簿記、ITパスポート、情報セキュリティマネジメント、秘書検定、文書情報管理士など、幅広い資格から自分のキャリアの目標や興味に合うものを選び、計画的に資格取得を目指しましょう。

資格を持っていることは、企業からの評価を高めるだけでなく、職場での昇給やキャリアアップにも役立ちます。まずは自分にとって優先度の高い資格を1つ選び、試験内容や難易度を確認した上で、勉強計画を立てることをおすすめします。資格取得をきっかけに、より希望に合った職場で働く未来を目指しましょう。

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