リモートワーク活用の地方移住|メリット・デメリットや給付金を紹介

リモートワーク活用の地方移住|メリット・デメリットや給付金を紹介

近年、リモートワークの普及により地方移住への関心が高まっています。コロナ禍の影響で多くの企業がリモートワークを導入し、出勤場所に縛られずに働くことが可能になりました。この新しい働き方を活用して、地方移住を考える人もいるでしょう。

そこで今回は、リモートワークを活用した地方移住の現状とメリット・注意点について解説します。また、地方移住に関する給付金についても紹介するので、地方に移住してリモートワークをしたいと考えている人はぜひ参考にしてください。

リモートワーク活用の地方移住の現状・パターン

出勤場所や居住地域に縛られることなく働けるリモートワークは、近年注目されている新しい働き方の1つです。コロナ禍の拡大により、日本国内でも2020年以降多くの企業がリモートワークの導入を進めました。

地方への移住希望者は多いものの、地域によっては選べる業種が限られていることもあり、就職・転職活動への不安を抱える人も少なくありません。しかし、リモートワークであれば、地方に移住した後も都市部の企業や、自分が経験を積み慣れ親しんだ業種で働き続けられます。

多様な働き方が可能となったことで、地方へ移住して生活環境を変えると同時に、リモートワークへ変更したいと考える人も増加傾向です。

地方移住のパターンとしては、Uターン・Jターン・Iターンの3種類があります。以下では3

Uターン

Uターンとは、出身地を離れて生活していた人が、故郷へ帰って働くことです。例えば、大学進学や就職により都市部に移り住んだ人が、地元の企業へ転職して帰郷するケースをUターンと言います。

リモートワークの普及により、以前と比べ地域の雇用状況に左右されずに地元へ戻って働くことが容易になりました。地元の自然や家族とのつながりを大切にしたい、地元の地域活性化に貢献したいという思いからUターンを選ぶ人が増えています。

Jターン

Jターンとは、出身地から都市部へ進学や就職のために移住した後、出身地ではなく出身地に近い地域へ移住することです。Uターンの「U」のカーブが途中で切れるような動きとなることから、Jターンと呼ばれています。

例えば、山形県山形市から東京に就職した人が、その後山形県の米沢市に移住するケースです。Jターンのような移住スタイルは、地元に近い場所で生活しながら、新たな地域での生活も楽しめるというメリットがあります。

Iターン

Iターンとは、出身地や現住地とはまったく関係のない、新たな地方へ移住することです。卒業・就職・転職の動きがほぼ線状になることから、カーブする「U」や「J」ではなく、「I」ターンと呼ばれるようになりました。主に首都圏で生まれ育った人が、地方へ移住する際に使われます。

例えば、東京都出身で東京都内に住んでいる人が、北海道へ移住するケースが挙げられるでしょう。リモートワークの普及によってIターンも容易になり、新たな生活スタイルを選択する人が増えています。

リモートワーク活用の地方移住のメリット

地方に移住してリモートワークで働く場合、以下のようなメリットがあります。

(1)自然豊かな環境で生活できる

都市部と比べて地方は自然が豊かなところが多く、四季の移り変わりを感じながら生活できます。自然環境の中で働くことはストレスの軽減やリフレッシュのしやすさにつながるため、クリエイティブな仕事にもよい影響を与えるでしょう。立ち並ぶビルの無機質さや途切れ目のない喧騒に疲れている人には、大きなメリットとなります。

(2)物価が安い

一般的に地方の物価は都市部と比べて安い傾向にあるため、生活費の抑制が可能です。家賃・食費・光熱費など、日々の生活コストを下げられれば、貯蓄や投資、趣味に回せる金額が増えるでしょう。また、同程度の費用で都市部よりも広い家を手に入れやすいことも魅力的です。

(3)通勤ラッシュによるストレスが少ない

リモートワークであれば通勤に時間を割かずに済み、通勤ラッシュによるストレスも感じなくなります。これまで通勤にかかっていた時間を仕事や趣味などに回せば、ワークライフバランスの向上にもつながるでしょう。

(4)子育てしやすい

地方では、子育て支援制度が充実している地域も少なくありません。保育園や幼稚園に空きがあるケースも多く、Uターン・Jターンであれば実家からの支援を受けやすいのも魅力です。また、自然豊かな環境での子育ては、子どもの健全な成長にも期待できます。

(5)家族との時間を増やせる

リモートワークであれば通勤時間が削減され、家族と過ごす時間を増やせるでしょう。Uターン・Jターンであれば、地元の家族や友人、親せきとの距離が近くなり、交流しやすくなります。

上記のメリットを享受しつつ給与水準の高い都市部の企業で働き続けられるのが、リモートワークを活用した地方移住の大きな魅力です。

リモートワーク活用の地方移住のデメリット・注意点

地方に移住してリモートワークで働く場合、以下のようなデメリットや注意点が存在することも覚えておきましょう。

(1)家族からの理解が得られない可能性がある

家族とともに移住する場合、家族の就学・就業状況や人間関係にも配慮しなければなりません。転校・就職・転職が必要となるケースが多く、暮らし方に大きな影響があるため、家族全員の同意と協力が大切です。

(2)都市部ほどの利便性を期待できない

地方は都市部ほど商業施設や医療機関、交通機関が充実していないところが多く、生活の利便性は必ずしも高くはありません。地域によっては車が必須となります。

(3)都市部に出勤する場合は不便である

会社側の規定によっては、都市部への出勤が必要です。地方から都市部への移動は時間と費用がかかるため、勤務先の指定するオフィスへの出社頻度やアクセスの手間を考慮しなければなりません。

地方移住では上記の点を理解し、十分な計画と準備が必要です。

地方移住で国からの給付金を利用できる?

地方移住を考える際、経済的な不安を覚える人は珍しくありません。国や地方の給付金を活用すれば、移住先の生活環境を整えたり新たに起業したりする際の必要経費軽減が可能です。

ここでは、国と地方が設けている移住支援制度について簡単に解説します。

国の支援制度(移住支援金)

国の支援制度である移住支援金は、地方公共団体が主体となり、東京圏外へ移住し起業や就業などを行う人へ交付金を支給する事業です。

【移住支援金の概要】

  • 支援金額
  • 世帯には最大100万円
  • 単身には最大60万円
  • 18歳未満の子どもと一緒なら1人につき最大100万円を加算
  • 支援金対象者
  • 過去10年間で通算5年以上(直近1年以上は必須)東京23区に在住、もしくは東京圏から東京23区へ通勤している
  • 5年以上継続して移住先に住み続ける意思がある
  • 以下いずれかに当てはまる
    1. 地域の中小企業などへ就業する
    2. 地域で社会的起業などを行う
    3. テレワークにより移住前の業務を継続する

出典:地方創生(内閣官房・内閣府総合サイト)「起業支援金・移住支援金」

出典:地方創生(内閣官房・内閣府総合サイト)「移住支援金」

地方移住者が地域の課題に取り組む社会的事業を起こす場合は、上記に加え最大200万円の「起業支援金」も支給されます。

制度の詳細や条件は地方により異なるため、興味がある方は必ず各地域の公式ホームページなどで最新情報を確認してください。

地方の支援制度

地方によっては、国の支援制度とは別に独自の移住者支援事業を設けているところもあります。岡山市であれば、以下のような補助金を実施しています。

【岡山市の補助金制度の概要】

  • 仕事に関する支援
  • 就職・転職活動のための面接における交通費補助:岡山市へのUIJターン希望者で、岡山県外在住の人
  • インターネット通信環境整備補助:テレワークにより岡山県外から対象地域に移住した人
  • 岡山市移住支援金:東京圏から岡山市に移住し、一定の就業要件を満たす人
  • 住まいに関する支援
  • 家賃補助制度:岡山県外在住で対象となる民間賃貸住宅を契約する人
  • 中古住宅購入・リフォーム補助制度:岡山市に移住するもしくは二拠点居住する場合に、一定の要件を満たす人

出典:おかやま生活(岡山市に移住・定住するための情報サイト)「補助金制度」

希望する移住先でどのような制度が利用できるか、事前に確認することが大切です。

まとめ

リモートワークの普及により地方移住が注目されており、現在はUターン・Jターン・Iターンの3つのパターンが存在します。

地方移住のメリットとしては、自然豊かな環境での生活、物価の安さ、通勤ストレスの軽減、子育て支援を活用できることなどが挙げられます。一方、家族の理解や利便性の面ではデメリットを感じる可能性もないとは言えません。

移住支援金を活用することで、経済的な不安を軽減できる可能性があります。ただし、各地域の条件や制度は異なるため、計画と準備が必要です。リモートワークで地方移住を検討する際には、自身の状況に合った移住先を選び、適切な支援制度を確認しましょう。

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